カグサワ教会遺構

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2017年3月17日

1814年のマヨン火山噴火で埋もれた町
マヨン火山との対比がすばらしい
レガスピ市近郊の絵になる観光スポット
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ビコール地方を代表する観光スポット、カグサワ教会遺構。マヨン火山の大噴火で埋もれたこの教会はアルバイ州の州都レガスピ市の北西8㌔、ジプニーで約20分の近距離にある。
今から約200年前の1814年2月、2000メートル級の高峰、マヨン火山が大噴火を起こした。これは記録に残っている最大規模の爆発で、火口から噴き出た溶岩流が麓の村、カグサワを襲った。噴火当時、カグサワ教会には、噴石や火山灰を避けるためたくさんの村人が避難していたが、そのまま溶岩流に飲み込まれてしまった。犠牲者は2000人にも上ったという。
現在、かつての教会の敷地は公園になっており、たくさんの観光客が訪れている。教会の壁は上部のみを残して土中に埋もれたままだ。約20㍍の鐘楼だけが、この場所が昔教会であったことを伝えている。丸屋根には草木が茂り、長年の風雨にさらされて漆喰が浸食され、丸くなった小石がむき出しになっている。黒い色をした畳以上の大きさの噴石があちこちに転がっている。このような巨大な岩石が火口から飛散し空から降り落ちたことを考えると、自然の脅威が身に染みるようだ。ところで、ピナトゥボ火山の火山灰は白い色をしておりマニラの建材店で、セメントと混ぜる「ホワイト・サンド」として販売されているが、マヨン火山の灰は黒く、近くの川床は黒い色をしている。公園内ではビコール地方の特産品やTシャツなどを売っている土産店もある。
鐘楼の後景には円錐状のマヨン火山が広いすそ野をつくり、その対比は絵葉書にもなっているくらいに美しい。カグサワ教会遺構は、いまではレガスピ市近郊のいちばんの観光スポットになっている。ビコール地方に行ったついでに、辛子のきいた郷土料理「ビコール・エクスプレス」もぜひ試してみたい。
◎ Navi Manila Vol.31 より

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