スルー海に昇る朝陽 (ミンダナオ、タウィタウィ州庁舎より)

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2017年3月25日

本年もどうぞよろしくお願いいたします – 「ナビ・マニラ」編集部一同


フィリピンのいちばん南にあるタウィタウィ島はイスラム教徒の住む島で州都ボンガオ町の小高い場所にはドーム型の屋根をもつ州庁舎があります。夜が明けるころになるとたくさんの地元の人たちがジョギングがてら、庁舎の周りに集まってきます。写真(2013年撮影)は庁舎から見える朝霧に包まれたボンガオの町とスルー海に昇る朝陽です。陽光がフィリピン国旗のデザインのように光線状になり、海はオレンジ色に染まっていました。
タウィタウィ島は地理的にフィリピンよりマレーシアに近く、センポルナに商品を仕入れに行く島民もいるくらいです。まさに国境の町。港の近くには魚料理中心のイスラム食堂があり、市場の横ではウミガメの卵も売られていました。知らない言葉が飛び交い、住民はペソとマレーシア通貨のリンギットを持っていたりなど、フィリピンでありながら別の国に来たような印象です。
島内にはブタがいません。代わりに道端にはヤギがたくさんいます。食べ物に関してはここのムスリムの人たちも厳格です。またボンガオには教会もあり、町役場ではムスリムとクリスチャンが一緒に仕事をしています。ムスリムにも勇敢なタウスグ族や元漂海民のバジャオ(サマ)などいくつかの種族がいます。そして商売をやっているのはここでも華人。人種や国、宗教の違いをあまり出さず、共通項を大事にしながら仲良くやっていこう、というのがタウィタウィでした。          (写真と文:ミッシェル・ゴー)
◎ Navi Manila Vol.29 より

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