セブからメードさんがいなくなる?

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2020年1月5日

マニラを飛び越え海外へ!?

by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

メードさんを雇えた時代はすでに終わっている!?(写真はイメージ)

フィリピン暮らしは日本の10分の1だとか5分の1だとかの生活費がウリだった時代がありました。しかし、最近はセブでも一定水準のレベルを維持するとなると随分とお金がかかるようになりました。日本と変わらないのではないかとさえ感じます。その中で生活の質、特に住宅(面積のみ?)やメードさんが雇えるといったことでは、まだ日本よりはアドバンテージがあるようです。特に年配者にとっては家事からの解放は大きなメリットです。しばらく前の話ですが、米国人がフィリピンのお金持ちから雑種の子犬をもらったところ、世話用にとメードが一緒に付いて来たという冗談のような実話がありました。

しかし、近年このような状況は考えられなくなってきました。4、5年前までは住み込みであれば月約3,000~4,000ペソで雇えたのですが、現在では6,000ペソ以上でも厳しい。セブの最低賃金は9,000ペソ相当ですが、それだけ提示しても探すのに苦労します。メード志望者の絶対数が極端に減っています。私見ですが、どうせメードをするのなら香港やシンガポールに行ってしまうのではないでしょうか。セブの人たちにとっては賃金水準がある程度高くても、マニラは敷居が高いのです。高学歴者でもマニラでの就職には積極的ではありません。ハイスクールまで出ていれば、彼女たちは取りあえず英語でのコミュニケーションは取れます。英語の習得率はマニラよりも高いのではないでしょうか。役所や会社の文書、商店の看板などもタガログ語ではなく圧倒的に英語です。さらに親類縁者に必ず海外就労フィリピン人(OFW)がいるお国柄ですから、彼女たちが海外に雄飛することは止められません。メードに限らず、ドライバーなどのノンスキルの職種でも海外志向の傾向が拡大しつつあるようです。

 

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