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2017年7月6日

「敬意と愛情込めて国歌斉唱を」
違反者には最高10万ペソの罰金

国歌の演奏が始まると全員が起立し、右手を胸にあてて音楽に合わせて歌うことが義務付けられた(写真はリサール公園で)

国歌の演奏が始まると全員が起立し、右手を胸にあてて音楽に合わせて歌うことが義務付けられた(写真はリサール公園で)

 下院はこのほど、敬意と愛情をこめて国歌斉唱することを義務付けた国旗紋章法の改定案を承認した。1998年に制定の同法案では「義務」の言葉はなかったが今回の改定案では「公共の行事で国歌が演奏されるときには斉唱は国民の義務であり熱意をもって歌うべき」の一文が追加された。違反した場合には5~10万ペソの罰金が科される(1998年法では同5,000~2万ペソ)。
改定法では国歌を歌う時にはまず起立し、敬意を示すために国旗が掲揚されている場合には国旗を向き、楽隊の指揮者を見て、右手を胸にあてて音楽に合わせて歌うことが明記されている。宗教や信条の違いから国歌斉唱が禁じられている人たちに対しては「とりあえず起立して敬意だけは払うこと」と寛容さも示した。また一部から批判されていた、歌が苦手なため正しい音程で歌えない人や身体が不自由な人に対しては罰則が適用されず、法案を起草した関係者は「歌がうまい下手は問題でなく、国歌への愛情とフィリピン人としての誇りがあればじゅうぶん」と明言した。
現在の国歌「ルパン・ヒニラン(選ばれた大地)」は1898年6月12日の独立宣言の式典で初めて演奏されたものでカビテ地方出身のフリアン・フェリペが作曲した。最初の歌詞はスペイン語だった。
(6月26日 インクワイアラー電子版ほか)

マニラ・クラーク間鉄道 2021年の全線開通へ
総事業費は2,550億ペソ、日本の支援で年内に着工
マニラとルソン地方中部のクラーク工業団地を結ぶ総延長106キロの通勤鉄道事業が日本の支援でいよいよ年内に着工する。総事業費は2,550億ペソで、その内の円借款額は約2,420億円に上る。6月26日、17の駅の建設予定地のうちのフィリピン国鉄トゥトゥバン駅(マニラ市)やブラカン州のメイカワヤン(旧国鉄駅)など5カ所で記念式典が行われ、トゥガデ運輸長官らが出席して事業のスムーズな進行を誓った。2021年の全線開通を目指している。
この鉄道事業はドゥテルテ政権が進めるインフラ計画「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」のうちの最重要プロジェクト。開通するとマニラ首都圏の混雑が緩和されブラカンやパンパンガ州からの首都圏への通勤も可能になり、ルソン地方中部への人とモノの動きが活発化すると期待されている。
運輸省によると高架鉄道を走る列車は8両編成で毎日13本を運行、最高速度は時速120キロ。マニラ・クラーク間の移動時間を現在の2~3時間から55分まで短縮、運行初年度には毎日35万人の利用を見込んでいる。
(6月26日 インクワイアラー電子版)

過密状態の現在の通勤列車(マカティ市のブエンディア駅で列車の到着を待つ人たち)

過密状態の現在の通勤列車(マカティ市のブエンディア駅で列車の到着を待つ人たち)


BGCにコールセンター従業員用のコンド建設へ
ベッド数1500、2019年の完工目指す
交通渋滞を回避する「シェルター」に
フォートボニファシオ開発会社(FBDC)はフォートボニファシオ・グローバルシティ(BGC)のコールセンターなどビジネス・プロセス・ アウトソーシング(BPO)企業で働く従業員のために、16階建て(375室、ベッド数1500)のコンドミニアム「The Flats BGC at 5th Avenue」を建設すると発表した。2019年までの完工を目指す。予定地は5番街に沿った場所でセントルーカス病院の向かい。エドサ通りやC-5通りへのアクセスも良好という。FBDC関係者によるとBGCでは現在、約12万人が働いており、2019にはさらに10万人が増える見込みという。BPO企業や従業員から会社の近くに居住場所が欲しいという強い要求があり、FBDCは過密化と交通渋滞回避のためのシェルター機能を持たせたいとしている。部屋はすべて家具付きでシャワー室やキッチンも完備、セキュリティ面も徹底し都市型のライフスタイルを提供する。
FBDCはアヤラランド社が率い基地転用開発局(BCDA)などで構成する官民合同のコンソーシアム(企業連合)。
(6月20日 インクワイアラー電子版)
バイクのフルフェイス着用を禁止 リサール州モロン町
バイク2人組、顔を隠しての銃撃事件相次ぎ
リサール州モロン町のアルマンド・サンフアン町長はこのほど、バイクに乗る際のフルフェイスヘルメット着用を命じる行政令を出した。フルフェイスはドライバーの安全の確保よりも犯罪者の顔を隠すため目的で使われる可能性があるというのがその理由。フルフェイスを着用して運転している場合には全員が検問で止められ銃器を所持していないかどうかなどの検査を受ける。同町では区長がバイクに乗った2人組に撃たれて死亡する事件が起きている。フィリピンでのひったくりや銃撃などの犯罪ではフルフェイス姿のバイク2人組によるものが多く、通りに据え付けられている監視カメラに犯行現場が映っていても顔がわからず、人物特定ができない場合がほとんど。同様の理由からヘルメットそのものの着用を禁じている自治体もある。
マニラ-アカプルコ・ガレオン博物館
SMモールオブ・アジアに年内オープン
SMモールオブ・アジア(首都圏パサイ市)に建設中のマニラ-アカプルコ・ガレオン博物館の工事が年内の完成に向けて急ピッチで進んでいる。建物は4階建てで屋根はドーム型。場所はマニラ湾沿いの遊歩道サンミゲル・バイ・ザ・ベイの並び。
ガレオン船(ガレラと呼ばれた)はスペイン時代にマニラとメキシコを往復した武装商船で、中国製品や香辛料を積み込んでメキシコへ、そして帰りには新大陸の銀を満載してマニラに戻った。そのたびにマニラではカーニバルが開かれたという。途中で海賊に襲われたり難破したりなどの危険を冒しても、莫大な利益を生んだためスペイン人たちは博打感覚で積み荷に投資した。そのガレオン貿易の歴史を残そうと作られるのがこのガレオン博物館で、フィリピンでは初めての試み。建物が完成すれば2階部分で、実物大のガレオン船(全長60㍍)のレプリカが2~3年をかけて建造される予定。来館者はガレオン船が実際に作られる工程を見学できる。
船のモデルは18世紀にカビテの海軍基地で作られたというデルピラール・デ・サラゴサ号。観光地プエルトガレラは、海が荒れた時などに一時避難したマニラ湾近くの当時の寄港地で、「ガレラ船の港」という意味。
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