ハロハロ・ノート ~とっておきのフィリピン~

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2017年7月7日

第6回: マルンガイ

フィリピンの「極上スーパーハーブ」マルンガイ

Malunggay: The Philippine Superfood

s-Kalamunggay_(Moringa_oleifera),_Philippines

日本でも「モリンガ」、「ワサビノキ」という名前で究極のスーパーフードとして注目されているマルンガイ。食物繊維や必須アミノ酸、ビタミンやミネラルや抗酸化物質であるポリフェノールの他、リラックス効果があると言われるGABAも含まれています。

フィリピンでは昔から、葉を緑豆(モンゴ豆)のスープの上に散らしたり、鶏のスープ「ティノーラ」に入れたりして野菜として食べられてきました。若い実の鞘も食べる地方もあります。また母乳の分泌を促進するとして、産婦はマルンガイの入ったスープを食べる習慣がありますが、これは葉酸の働きによるもので、日本でも産前産後に葉酸摂取が母子手帳で推奨されている通りです。このマルンガイ、木化した枝を切って、土にさしておくと、一週間ほどで芽が出て、そこから育つという、生命力のたいへん強い植物でもあります。

JPM農園を経営する松岡康夫さんは、10年ほど前、重度の肝硬変を患い、余命2~3年との宣告を受けました。その時、「副作用のある薬より、これを飲みなさい」とフィリピン人の奥さんが勧めてくれたのが、このマルンガイでした。肝硬変が改善するわけはないと思いつつも、奥さんの勧めるまま乾燥粉末やお茶を飲んでいるうちに、次第に倦怠感や微熱が無くなり、肝臓機能を示すALT(GPT)やAST(GOT)も、担当医が「奇跡だ」というほどに改善したのだそうです。その後、松岡さんはモリンガの健康効果について研究し、その効果を確認して、JAS認証を取得し、有機栽培によるモリンガ農園を作るに至ったということです。

人により効果の程度は違うとは思いますが、このような様々な健康効果のあるマルンガイ、ぜひ普段の栄養補給に取り入れていきたいですね。

「ワサビノキ」と呼ばれる通り、ちょっと苦みと辛みがあるため、飽きずに生活に取り入れていくためには、ちょっとした工夫が必要です。葉っぱをスープに入れたり、粉末をお茶として飲むほか、いくつかの方法をご紹介します。

食生活に取り入れる方法
① 葉や粉末をお好み焼きやパンケーキに混ぜれば、朝食や子供のおやつにも。
② オムレツやスクランブルエッグに新鮮な葉か粉末をちょっと混ぜて。
③ フィリピン料理はもちろん、お味噌汁やお吸い物に。
④ ごはんに海苔やゴマと一緒にふりかけて。
⑤ カレーに混ぜて。インドやネパールではカレー粉のスパイスとして使います。
⑥ ココアにシナモンやクローブなどのスパイスと一緒にまぜて。
⑦ 肉料理やサラダドレッシングに混ぜて。
⑧ バジルやタイムなどのハーブと一緒にバターに混ぜて、トーストに。

その他の方法
① その他、粉末をぬるま湯で溶いて、顔のパックに。
② 粉末を溶いた物を虫刺されや小さな傷に。
なお、JPM農園のモリンガには驚きの成分が含まれていることが京都大学の研究チームにより発見されたそうです。詳細は松岡康夫さん(携帯番号+63-915-736-2722、Eメールoffice.philaim@gmail.com)まで。

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