パイナップルについてあれこれ

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2019年3月7日

pineapple

トロピカルフルーツの代表とも言えるパイナップルは中南米が原産です。世界の生産量の1位はコスタリカ、2位がブラジルで3位がフィリピンですが、日本国内で販売されるパイナップルの99%、つまりほぼ全てがフィリピン産です。
パイナップルは植えてから1年から1年半で中央に花穂がつき、そこに約150個の花がつきます。その花と子房の部分が全て融合した集合果が、いわゆるパイナップルの実です。実が松かさに似ているため「パイン(松)」と「アップル」を合わせた名称で呼ばれます。パイナップルの実の上には葉がついていますが、実の上の部分から切って植えておくと、そこからまたパイナップルが生えて、実もなります。ただしこの方法だと時間がかかるため、通常は植物の脇芽を挿し木して増やします。
パイナップル100gには、ビタミンCが一日の推奨摂取量の27%と多く含まれており、抗酸化効果が期待できます。骨や皮膚の形成、体内の代謝に関わるマンガンは推奨摂取量の22%が、体内でヘモグロビンの合成を助ける銅は摂取量の16%が含有されています。またカロリーは50カロリーと比較的低カロリーなのも嬉しいですね。

またパイナップルにはブロメリンという酵素が含まれています。タンパク質分解酵素であるブロメリンは食品として摂取すると関節炎やけが、捻挫の炎症を和らげる効果がある他、肉とあわせると、肉が柔らかくなります。ただ60度以上の加熱調理でブロメリンの効果が無くなるため、体内での効果を期待する場合は、生のパイナップルを後から追加するか、後からデザートとして食べることがお勧めです。しかも、パイナップルにはニンニク臭を消す効果があるそうですので、焼肉を食べた後パイナップルを食べれば、消化を助ける効果と、ニンニク消臭の二つの効果が期待できます。
実はゼラチンにパイナップルを入れると固まらないのも、このブロメリンがゼラチンのタンパク質を分解して働きを阻害してしまうからです。パイナップル入りのゼリーを作る場合は、あらかじめパイナップルを加熱しておくか、加熱処理済みの缶詰を使う方が良いでしょう。ゼラチンのかわりに寒天を使えば問題ありません。
このように、いいことだらけのパイナップルですが、食べすぎると舌がヒリヒリ痛くなるのが玉に瑕です。この理由にはブロメリンのせいだという説と、シュウ酸カルシウムのためだという説がありますが、予防法は塩をかけたり塩水につけてから食べること。舌が痛くなってしまった時には、塩水でうがいをすると良いそうです。
フィリピンにいると、パイナップルを人から大量にもらってしまったりすることがあります。そんな時は、皮を厚めにそぎ落とし、1口サイズに切って、ジッパー袋などに入れて冷凍してしまいましょう。冷凍してもブロメリンの効果は失われません。凍ったままでも食後のデザートとして食べられますし、パイナップルシェークやフルーツシェークにしたり、料理に使うのも良いでしょう。(悦)

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