フィリピン語を学びたいと思ったら

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2019年7月5日

フィリピン語を学びたい」。そう思い立ったが吉日。講座に通うか、独学に挑戦するか。

日本語で学べるフィリピン語講座
日本人講師のわかりやすい指導

約15年の実績がある澤田講師によるフィリピン語(タガログ語)講座。これまで駐在員の方や家族、退職者など多くの在住日本人が学んできた。現在は毎週土曜日午前11時から会話コース、午後1時から中級コース、日曜日の午後1時から初級コースを開講 (2019年6月現在)。授業時間は1コマ90分。各コース約4カ月で修了。1クラス約3~10人の少人数で行われる。
この講座の最大の特長は、日本人講師の澤田氏から日本語でフィリピン語を学べるということ。新しい外国語を学ぶのにいきなりネイティブの先生から学ぶのにちょっと自信がないという人でも、この講座なら安心。特に基本的な文法の説明は、多くの日本人にとっては日本語で習った方がわかりやすいに違いない。
「フィリピン語の語順は日本語や英語とは異なり、述語が最初に来て、主語が最後に来ます。また、動詞の用法にも特徴があります。行為者、対象、方向、どれに焦点を当てるかによって動詞の接辞が変わります。例えば、『与える』という意味のbigayという動詞は次のようになります。

bigay(与える)
magbigay:「誰が」行為者に焦点
ibigay:「何を」対象に焦点
bigayan:「誰に」方向に焦点

また、スペリングが同じでも発音が異なれば意味も違う言葉があります。例えばHapon(日本)hápon(午後) báka(牛)bakâ(多分、おそらく)などです」(澤田講師)。
このように、きめ細かな説明を聞くことができるのも、日本人講師による日本語の講座ならではのメリットといえるのだ。

 

フィリピン語を学ぶことで、その人がフィリピンという国や文化に関心を持ち、敬意を持ってくれている、ということがフィリピン人に伝わると思います。

澤田 公伸 (さわだ まさのぶ)
大阪市出身。大阪外国語大学(現大阪大学)大学院フィリピン語専攻コース修士課程修了。1996年から「まにら新聞」で記者として務めるかたわら、同社カルチャーセンターでフィリピン語講師を兼務。著書に『ゼロから話せるフィリピノ語』(共著、三修社)や翻訳書に『物語・マニラの歴史』(共訳、明石書店)などがある。

まにら新聞タガログ語講座
〈現在開講中のコース〉
会話コース(毎週土曜日11am~12:30pm)
中級コース(毎週土曜日1pm~2:30pm)
初級コース(毎週日曜日1pm~2:30pm)
※各コース8月に修了、次回新学期は今年10月より開講予定。
会場:まにら新聞図書室・会議室 (マカティセントラルスクエア2階)
受講料:1人毎回500ペソ(初回に教材費450ペソ別途徴収)
問い合わせ・申し込み:Eメール masi_manila@yahoo.co.jp(講師:澤田)

初級コースの授業。文法を学び例文を発声するスピーキングの練習も行われる。

宮地 正人さん

受講生インタビュー

本音の会話をしたいから 現地の言語を学ぶ
フィリピン語を学び始めて約10年になります。2002年に来比して入行したアジア開発銀行にフィリピン語の講座がありましたが、本格的に学び始めたのは6年前、澤田さんの講座に通い始めてからです。
日本で銀行勤務時代にカナダのモントリオールに留学し、その後香港、ロンドン、ブラジル、米国ヒューストンなど英語圏以外の赴任先では現地語のフランス語、広東語、ポルトガル語を学びました。マニラは英語が通じ、フィリピン語はマイナーなイメージもあって最初は興味がありませんでした。しかし、その後勤務した比・日合弁企業はフィリピン語が飛び交う職場だったため、フィリピン人と本音で話したいと思い、学び始めました。
私は外国語学習では検定試験を一つの目標とし、これまでドイツ語や英語検定1級を取得しました。残念ながらフィリピン語検定はないので、映画やドラマの内容がわかるレベルへの上達をめざしています。

数年間のブランクを経てフィリピン語学習を再開

マニラには2003年から在住しています。以前働いていた職場でフィリピン人の同僚と会話ができるようになりたいと思い、フィリピン人の先生に習ったり、澤田さんの講座を受講していました。その後ブランクを経て、昨年9月から再びこの講座で学び始めました。フィリピン語は動詞の活用など文法が英語より難しいと感じます。
フィリピン人は日本人に英語で話してくれても、フィリピン人同志で盛り上がるといつの間にかフィリピン語になっている。なので深くフィリピン人とわかり合えるにはフィリピン語ができたほうがいいですね。趣味で社交ダンスをしているのですが、レッスンの時は、フィリピン人の先生やダンス仲間たちとフィリピン語で会話するように心がけています。また夫婦で将来もマニラに住む予定のため、生活をより快適かつ充実させるためにもフィリピン語でのコミュニケーションができるようになりたいと思っています。

モットーは「フィリピン語を楽しく学ぶ」

「フィリピンに学ぶ会」フィリピカ語学サークル

首都圏マカティ市のリサールヴィレッジにあるフィリピカルームで開催されている「フィリピンに学ぶ会 フィリピカ(Filipica)」(1981年より在比日本人婦人の自主ボランティアにより創設、活動する非営利グループ)のフィリピン語サークル。講師はエドウィン・モヒカ先生(現比日文化学院講師)。当初はお姉さんが講師を務めていたが、1997年からエドウィン・モヒカ先生が引き継ぎ、現在に至る。
 新入門コース(金曜日/不定期)と初級1コース(水曜日/不定期)の2コースがあり、現在の受講生は各コース6名。授業は1コマ約2時間。
 授業では先週何があったか、どこへ行ったかなどの雑談から表現を広げ、テキストを基に先生と読み合わせをし、例文、単語、活用を学習。フィリピンの文化や食物、慣

 

 

習など、先生からフィリピンに関するさまざまなことを学んでいる。
受講資格フィリピカ会員であること。募集は不定期に「フィリピカ」紙面にて。参加費は、フィリピカ会費のほか、1ターム(6回分)の授業料実費を受講生数で分割。
連絡先:filipica.manabu@gmail.com

 

 

 

フィリピン語の独学におすすめ

『大学のフィリピノ語』
フィリピン語の文法を体系的に解説した教本。著者は東京外国語大学フィリピン語学科で長年にわたって教鞭を取り、日本におけるフィリピン語教育の第一人者である山下美知子氏。学習者が持つであろう疑問を念頭に起き、わかりやすく解説されている。会話例文にはフィリピンの日常のシーンで交わされる話題が盛り込まれ、さらにフィリピンの文化や習慣についても学べるコラムも掲載。

著者:山下美知子、リース・カセル、高野邦夫
発行:東京外国語大学出版会
価格:本体3,800円(2,000ペソ)
ISBN: 978-4-904575-65-9

 

『デイリー 日本語・フィリピン語・英語辞典』

 

フィリピン語、日本語、英語3カ国語のユニークな辞書。1つの単語につき日本語、フィリピン語、英語が同時に比較できる見やすい構成になっている。フィリピン語には発音をわかりやすくするためのカタカナ表記とアクセントを付記し、動詞のフォーカスも明記。日本語の単語にはローマ字が併記してあり、日本語を学習するフィリピン人も使えるように工夫されている。音声ウェブサービス、分野別単語帳の付録付き。

監修:大上正直
発行:三省堂
価格 : 本体2,400円(1,300ペソ)
ISBN:978-4385122861

 

※ペソ表示の価格はまにら新聞での販売価格です。※本欄紹介の書籍は2019年6月1日現在、まにら新聞では取り扱っておりません。入荷次第、まにら新聞紙上にてお知らせします。

 

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