ワワダム 60年間の役割終えて久しく、現在は「水源地エコパーク」に

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2017年5月2日

Beating the summer heat in Wawa Dam
リサール州 ロドリゲス町

高さが約20メートルのワワダム。週末はダム湖で竹製の筏(いかだ)に乗ったり水浴びをする人でにぎわう

高さが約20メートルのワワダム。週末はダム湖で竹製の筏(いかだ)に乗ったり水浴びをする人でにぎわう


マニラ首都圏の北東約35㌔、リサール州ロドリゲス町の峡谷にあるワワダムは今から100年以上も前に上水供給を目的に作られたダムだ。かつては「マニラの水がめ」と呼ばれたワワダムはダムの機能を失ってからすでに数十年が経つが、周囲の切り立った石灰岩の峡谷や鍾乳洞、白い大きな奇岩など景観が素晴らしい。このため渋滞がない週末はマニラ首都圏から車で約1時間と比較的近距離にあるため、サイクリングや散策など「水源地エコパーク」としても人気を集めている。
山を無料で開放しているため暑い乾季には「お金のかからない避暑」を求めて首都圏からもたくさんの人がやってくる。ダム湖での竹製の筏(いかだ)遊びをしたり、Tシャツと短パン姿で緩やかな曲線のダム壁に腰を掛け、あるいは寝そべって、天然のシャワーを楽しむことができる。
またダム湖の岸辺や下流にかけて設置された竹やニッパヤシでできた7、8人用の小屋を借りることができる。レンタル料は200ペソくらいで、小屋の中には簡単なテーブルがあって家族で弁当を広げたりバーベキューもできる。
雨季になり水かさが増すと翌年まで自然閉鎖となる。
A dip in the cascading waters of Wawa Dam is perhaps the best way to beat the scorching heat of the summer sun. Wawa Dam in Rodriguez, Rizal is a gravity dam built by the Americans in 1909 to provide the water needs of Metro Manila residents. It ceased operations following the completion of Angat Dam in the 1960s. With its proximity to Manila, Wawa Dam has become a weekend getaway where visitors can go swimming, boat riding, mountain climbingand even spelunking. Bamboo rafts and cottages are available for rent to picnickers.
 ダム壁に寝そべって天然シャワーを楽しむ

ダム壁に寝そべって天然シャワーを楽しむ


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edIMG_6795 ワワダムは上流の山から流れ出すワワ川(下流はマリキナ川)をせき止めてつくられた利水ダム。アメリカ時代の1909年、タフト総督が完成させた。1960年代に給水が停止されるまでの約60年間、マニラ市民に生活用水を供給し続けた。しかし老朽化に加え、1960年代後半、ブラカン州にアンガットダムが完成したのを機にワワダムからの給水は打ち切られ、「首都圏の水がめ」の役目を終えた。

 アクセス Access

ケソン市のコモンウェルス通りを北上、リサール州ロドリゲス(モンタルバン)町に入る。ワワ川筋に沿って一本道を15分ほど進むと、大樹が枝を広げ日陰をつくる広場が見えてくる。川に点在する白い巨大な奇岩が目をひく。ここから徒歩で山道を10分ほど登ったところにワワダムがある。

 

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