雨期に憂いて…

この記事をシェア

2018年8月21日

スコール・冠水・ 土砂崩れ  by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

※シヌグロフェスティバル:毎年1月の第3日曜日にセブ島で行われるフィリピン最大規模の祭り。1521年マゼランからセブ島の女王に贈られ、1565年のスペインによる侵略で大火に会った町から無傷で発見されたキリストの子供時代を模した奇跡の人形を称える祭り。

今日は昼前からザーッと来ました。先月から雨季に入っているセブです。夜中に降って昼間は晴れることが多いのですが、今日は朝から雲が垂れ込めていました。島を横断する背骨のような山にバケツをひっくり返したようなスコールが降ると、一気呵成に牙をむいたような流れが市街地を襲います。山手の下水道は全く役に立たず、濁った激流がを道路を呑み込みます。マンホールからは白濁した水柱が立ち上ります。この激流が平坦な市街地に達すると幹線のA.S.フォーチュナ通りなどのあちこちで冠水です。
数年前、鳴り物入りで下水管を大口径のものに代える1年以上に及ぶ工事の不便と土埃に堪えた結果は…
ある程度は改善されたと思います。以前は子供が水溜りに飛び込んでいたのが、飛び込めるだけの水深はなくなったようです。とは言えあちこちで車は進めなくなり、渋滞が発生します。セブではお店でのビニール袋が禁止され、紙袋が使用されています。何故ならば、ビニールは水に溶けないので下水が詰まるからだとか…
雨季といえば、恐ろしいばかりの植物の成長に驚き、頭を抱える季節です。水やりの頻度が減るので水道料金は安くなってありがたいのですが、種類によっては一日に数センチも伸びる植物の処理が頭痛の種です。いかにも南国らしいブーゲンビリアなども、普段は花をのんびり観賞できるのですが、この時期は悪魔の触手のような枝がニョキニョキと家を覆い隠さんばかりです。週一回は若い枝のうちに剪定をしないと木質化して始末に困るようになります。山がちのセブでは土砂崩れが起き、家がつぶされたというニュースも目にします。しかし、ポジティブな面では気温が下がり湿度が上昇するので乾季に比べ、なんとなく優しい空気に包まれるような気がします。
来年1月のシノログフェスティバル※が終わる頃までは程度の差はあれ、こんな天気が続きます。

Advertisement