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フィリピノ・ワールド

2020年1月2日

Filipino World
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Colgate na Close-up atbp.
(Part 2)
フィリピン人なら使うあの言葉
(その2)
ィリピン  コレ

みなさんこんにちは!Kumusta kayo? 先月は、「歯磨き粉」(tooth paste)と言う意味でフィリピン人がまるで一般名称のように使う「コルゲート」のように、浸透しすぎてしまった商標名について書きましたが、今回はその第二弾です。

Mongol(モンゴル)

フィリピンでMongol(モンゴル)と言えば誰もが思い浮かべる物、それはモンゴル・ブランドの黄色い鉛筆です。子供の学校の新学期に持ってくる文具のリストや、マークシート式試験の持ち物リストにも「モンゴルNo.2」と指定されていたりします。モンゴル鉛筆は、もとは1800年代にドイツのエバーハード・ファーバー社で作られ、のちにアメリカの同社が1900年代初頭に商標登録しています。1900年代初めと言えば、フィリピンはアメリカの植民地時代。フィリピンには、そのころ導入されたのかもしれません。
モンゴルという名称は、芯に用いる黒鉛がアジアから輸入されたからという説がありますが、1988年にファーバー・カステル社に買収されるまで同社の社長を務めたエバーハード・ファーバー四世によると、実はマーケティング
担当だった大叔父ジョン・エバーハードはアメ

リカで登録商標協会を設立した人で、自分が好きだった「ピュレー・モンゴル」というスープの名から「モンゴル」と名付けて、商標登録したのだとか。
現在でもフィリピンではモンゴル鉛筆と言えば質が良いと考えられ、ブランド指定されることが多いようですが、質の良い鉛筆で芯の硬さが近ければ他ブランドでも構わないようです。ちなみにNo.2は日本のHB相当の硬さです。

Kodak(コダック)

コダックと言えば、写真用フィルムやカメラなどで知られますが、フィリピンでコダックと言えば、なんと「写真を撮る」という意味の動詞としてまで使われることがあるのです。 “Mag-kodakan tayo.(コダックしようよ)”と言えば、「写真を撮ろうよ」という意味。デジタル時代になり、フィルムを使わないデジタルカメラやスマホなど、コダック社の製品を全く使わない場合でも “Mag-kodakan“「コダックする」と使っているのは、フィルム撮影が一般的だった時代にどれほどコダックの知名度が高かったかの現れでしょう。

Katol(カトール)

カトールとは蚊取り線香のこと。音が似ているので、日本語が語源?と思ったことのある方もいるのでは。それもそのはず、「カトール」とは、鳥取出身の実業家、安住伊三郎が、明治26年(1893年)に大阪で創業した「安住大薬房」の蚊取り線香の商標名だったのです。商品名は「安住の蚊取り線香カトール」で、上海やワルシャワに工場を設立し、フィリピンを含む東南アジア、アフリカ、ヨーロッパなど世界50カ国に輸出して、デング熱やマラリアの予防に貢献し、当時は「蚊取り線香王」と呼ばれたそうです。フィリピンではその「カトール」が蚊取り線香全般をさすようになり、のちにドラゴン・カトール、タイガー・カトールなど、様々なブランドの「カトール」が作られるようになりました。現在では「カトール」が日本の蚊取り線香の商標名であったことは殆ど知られていません。このように100年以上経っても「カトール」という言葉がフィリピンで一般的に使われていることを、当時の安住伊三郎が知ったら、さぞかし驚いたことでしょう。

 この他の例では、ジョンソンエンドジョンソン社のガーゼ付き絆創膏「バンドエイド」や、オーチス・エレベーター社の商標名だった「エスカレーター」(現在は商標権放棄済)、など、日本やフィリピンで同じ語が一般的に使われているものもあります。身の回りを見回してみると、様々な例が見つかりそうですね。

文:デセンブラーナ悦子

日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。