魅力満載!
Philippine Public Golf Courses

ご存知の通り、フィリピンのゴルフ場にはプライベートとパブリックのコースがある。そのうち、一般に在住日本人がプレーするのはプライベートコースが多いと思われる。実際にプレーヤーの視点で見るパブリックコースとは? 週末に首都圏パサイ市のビリヤモールゴルフクラブ(Villamor Golf Club)のメンバーとしてプレーする加藤寧さんに聞いた。

今回の案内人

加藤 寧さん
東京都出身。
マニラ日本人学校勤務。
ゴルフ歴約9年。
ベストスコア81
(フィリピンネイビーG.C.)

ハンディキャップ14.2
日本人会ゴルフ大会5位(2018年5月)
クラブセッティング〉

ドライバー:テーラーメイドM2またはナイキVAPER Fly PRO 9.5°
FW・UT:3番ウッド ナイキVAPER Fly 
FW・UT:レスキュー2番 ナイキCOVERT 17°
FW・UT:レスキュー3番ナイキCOVERT 21°
アイアン:ナイキVRS Forged
ウェッジ:ナイキVRS 56°匠52°
パター:ナイキ
ボール:メーカーにこだわりはないが、 白いボール。

100を切る要素の一つとして、加藤さんはチャレンジをしないことを挙げる。「一か八かという場面で無理をしない。時として、『ボールを出すだけ』にとどめることが必要な場合があります」

加藤さんは100を切るために、パッティングを磨いたという。「スコアを伸ばすにはパットが大事であり、パットは練習すれば上手くなると言われて、パッティングマットを買って家で練習しました」


正確さを求められる
「幅が狭いコース」
首都圏パサイ市にあるパブリックコース、ビリヤモールゴルフクラブ Villamor Golf Club)のメンバーとしてプレーする加藤寧さん。このコースのティーグラウンドで感じるのは、プライベートのコースに比べフェアウェイが狭いことだという。
「横幅が狭く、すぐそばに高い木が茂る林が迫っているので正確なショットを打たないとすぐOBになったりハザードに入ったりしてしまいます。しかし、この感覚に慣れると、プライベートコースでプレーする時にはかえってフェアウェイが広がっている感じがして思い切りドライバーを振れる。曲がったなと思ってもOBしないですね」
ビリヤモールには、都心にあるパブリックコースならではの「奇観」があるホールも存在する。
「14番ホール(パー4)は右に木、左はコンドミニアムが建っていて、コンドミニアムに向かって打つような感じになります。防球ネットも張ってないので、コンドミニアムに打ち込む人もいるようです」
プライベートコースとの違いは、グリーンにもあるという。
「一般にプライベートコースのグリーンはちゃんと芝がメンテナンスされて早いように思うのですが、パブリックコースのグリーンは遅いと感じます。その分アンギュレーションがつくられたりしてあって難易度を高めているように思います。
ビリヤモールはゴルフトーナメントの『フィリピン・マスターズ』の開催地となっていることから、最近はコース整備も行き届いています。フィリピン国内最高峰のトーナメントの開催地でプレーできるというのも、やりがいがあります」

チームのメンバーとして
トーナメントに挑む

加藤さんはビリヤモールをホームコースとして活動する「ハンパス ルパ(Hampas-lupa:タガログ語で地面を打つという意味。貧乏中の貧乏という意味もある)」というチームに所属し、毎週プレーしている。
「ハンパスルパのメンバーはフィリピン人の弁護士、会社役員、銀行員などで、日本人は現在私1人。チームにいると用具やゴルフ関連イベントの情報の交換など役に立ちます。メンバーには知日派が多く、日本へ行って日本のブランドのクラブを買ってくるほど。日本の方が種類も豊富で、価格も手ごろだと評判ですね。
ビリヤモールでチーム以外の人とプレーする時は、「どのチームに入っていますか?」と聞かれます。このコースはチーム同志によって、コミュティーが形成されていると感じます。そして私自身、ゴルフを通じてフィリピンのコミュニティーの一員になっていると実感するのです。
ハンパスルパのチームとしては、ビリヤモールで年4回開催される大規模なコンペを目標に練習しています。クリスマスの時期に開催される大会では自動車やゴルフカート、テレビ、冷蔵庫などが当たる抽選会が行われるなど、盛大なイベントです。ほかにも多くの慈善トーナメントがクラブ、市長やロータリークラブなどの主催で行われているのもパブリックコースの特長といえるかもしれません。こうしたコンペに参加することで、恵まれない人々の生活や教育の支援に携わると同時に、自分とフィリピン社会とのつながりを感じることができます」

家族にやさしい
パブリックコース 

加藤さん(左から2人目)がハンパスルパのメンバーとビリヤモールでラウンド中、メンバーの1人が見事ホールインワン。「ビリヤモールではホールインワンを達成すると賞金が出ます。ホールインワンをした人が祝賀会を開く文化はフィリピンにはないようですね」

プライベートコースは一般に郊外にあるが、ビリヤモールをはじめパブリックコースは都心にある。加藤さんにとってはこの立地も魅力だ。
「ビリヤモールならマカティ市から車で10~15分で行けます。朝プレーして昼頃に家族をクラブハウスに呼んで、いっしょにランチを楽しむのが私のスタイル。郊外のゴルフ場だとこのようなことは、なかなかできません。ビリヤモールにはプールもあって子どもも楽しめます。ゴルフと家族サービスを両立できるのがいいですね」。
日本でバブルの頃にゴルフを始め、その後ブランクを経て来比後に再びゴルフを始めたという加藤さん。100を切るのに2年、現在のスコアは80台だ。
「野球やサッカーなどのスポーツは、練習でそれなりに上達する。しかし、ゴルフはどれだけ練習しても、今日できたことが明日できるとは限らない。上手になったり下手になったりの繰り返しで、結果の責任はすべて自分にある。こうした点がゴルフの魅力だと思います。今の目標は80切りです」

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