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戦時下のセブを語る人々の証言と写真

2019年12月23日

『 The WAR in CEBU 』by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

『 The War in Cebu 』 University of San Carlos Press ISBN : 978-971-539-070-5

日本軍がセブを占領したのは1942年(昭和17年)4月。そして1944年(昭和19年)10月、マッカーサー率いる連合軍がレイテ島に上陸、以後凄惨を極めた戦闘が続きます。レイテでの戦いが一段落した翌年3月、レイテの隣に位置するセブに連合軍が進攻してきます。今回紹介する『The War in Cebu』は、日本軍のセブ占領から連合軍の上陸、1945年(昭和20年)8月の日本軍降伏までをフィリピン人および連合軍サイドから捉えた記録です。
学者やジャーナリストによる当時を知る人々への聞き取り調査や、連合軍側の撮影による写真が数多く掲載されており、1冊の史料としてこれほどまとまったものは今まで見たことがありません。文字を追っていくのは大変ですが、膨大な数の写真がまさに歴史の生き証人として我々に多くを語ってくれます。
当時のセブの中心だったコロンの市街地があたり一面破壊され尽くされた中で、奇跡的に残ったサント・ニーニョ大聖堂とセブ大聖堂、今もセブ港に残る税関の建物のすぐそばで、米軍機の攻撃を受ける日本の輸送船、現在セブのビジネスの中心ITパークとウオーターフロントホテルとなっている日本海軍のラフグ飛行場は、無数の爆弾の穴が開いて蜂の巣のようになっている……。これらの写真を見ると、このような状況のセブで生きながらえた人間の強さに驚かされると同時に、人々の生活の場をこのような惨状に化してしまう戦争に、心から脅威を感じざるを得ません。