Pamahiin
迷信ーPart 1ー
みなさんこんにちは! Kumusta kayo?フィリピンには実にたくさんの迷信があります。そんな迷信について、二回に渡ってお伝えしていきます。
Huwag magwalis sa gabi. Lalabas ang grasya.
夜ホウキで掃いてはいけない。幸運もその家から出ていくから。)
これは、夜の掃除は幸運も掃き出してしまうからだそうです。夜になっても働きすぎる人を戒めるためにこう言ったのでしょうか。「全員が食べ終わるまで片づけてはいけない。一緒に食事した未婚者は一生結婚できなくなるから。」というタブーもあります。こちらは食事中の人がいるのに片づける失礼を戒めるためかもしれません。また「食事の後、訪問客が片づけるとその家に不幸が来る」というのもあります。これは訪問客に働かせてはいけないという気遣いから来たのでしょう。迷信やタブーの中には、こういった気遣いや戒めから生れたと思われるものもあります。また、こんな面白いジンクスもあります。“May darating na panauhing babae kapag naibagsak ang kutsara, may darating na panauhing lalaki kapag naibagsak ang tinidor.” (スプーンを落とすと女性客が来る、フォークを落とすと男性客が来る)。ちなみにフォークやスプーンの腹側を上にして落ちると美男美女、背側が上なら美しくない人が来るそうです。また食事中に舌をかんだり、むせたりしたら、それは誰かに思い出されているから、とも言います。周りの人に1から26の数字をどれか言ってもらい、1ならA、2ならBと対応する文字がその人の名前の頭文字だそうです。
Kapag umaaraw at umuulan ng sabay, may kinakasal na tikbalang.
(晴れているのに同時に雨が降るのはティクバランの結婚式)
ティクバランというのは、人間の体に馬の顔と足のついた妖怪のこと。天気雨が降る時、日本では「キツネの嫁入り」と言いますが、それとよく似た言い伝えです。また、蟻塚や木の切り株には精霊が住んでいると言われており、通りかかる時には “Tabi-tabi po, Apo”(タビタビ・ポ・アポ「精霊さん、よけてください」)と言わないと病気になる、とも言われます。また木を切ってほしいと言っても、その木にはdwende(ドゥエンデ「小人」)が住んでいると言って誰も切ろうとしないことがあります。カトリック教徒が8割以上を占めるこの国ですが、自然や超常現象に対する畏怖という土着の考え方が深く浸透しているのは、一つの特徴です。
次回は妊娠、出産や葬儀、水浴びに関わる迷信の話です。
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文:デセンブラーナ悦子 日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。 |