山のご馳走、コルディレラの肉料理
A feast on the mountain, the food of the Cordillera meat is a special gift for God.

ファーマーズ・ドーター・レストラン。平日でも各地から山の味を求めて多くの客が訪れるFarmer’s Daughter Restaurant. Many customers visit for the taste of the mountain from various places even on weekdays.
ある、コルディレラ・フードフェアが観光省の主催により行われました。
マニラから足を運んだという人もいるほど、期間中会場のバーハム公園ローズガーデンは多くの来場者でにぎわいました。
バギオを訪れる観光客にとって大きな魅力のひとつが料理です。会場にも山岳地方各州の様々な料理を紹介するブースが並んでいました。しかし、どのブースも中心となっているのは肉料理。なぜコルディレラでは肉料理がこんなにも重要な位置を占めているのでしょうか? それはコルディレラ地方の先住民族が祭祀や儀礼の時に家畜をつぶし山の神に捧げるという風習から来ています。
「私たちのふるさとイフガオ州では豚肉は常に特別なギフトだったよ」
去年9月にバギオのナギリアンロードにオープンしたアンドゥ・コルディレラン・ビストロの料理人はそう言います。儀礼などで絞められた家畜の肉は、コミュニティの人たちに分けられます。持ち帰られた肉の一部は保存のため塩漬けにして家の屋根に吊るして毎日の煮炊きの煙で燻製にしていたそうです。この燻製肉はマウンテン州ボントックではイタッグ、イフガオ州やカリンガ州ではキニイン、ベンゲット州ではキヌダイという具合に、地域や民族によって呼び名が違います。燻製肉はそのまま炒めただけでも甘いタプイ(ライスワイン)にうってつけのつまみになりますが、野菜や豆のスープに旨みを加えるために使われることもあります。
先住民族は家畜の内臓や血も無駄にはしません。バギオのライトパーク近くにあるカリンガ料理レストランのカフェ・ヤガムの名物ピヌネグ(血入りソーセージ)は、そのもったいない精神を遺憾なく発揮した一品。作り方は豚の肉とモツを挽き、玉ねぎとニンニクを加え炒めます。材料に火が通ったところで血を加え、さらに炒めると肉のうまみあふれる詰め物の完成です。それを腸詰めにして燻製にします。カフェ・ヤガムでは燻製の燃料に、地元農家から仕入れたコーヒー豆を脱穀したときに出るパーチメント(殻)を使っています。豚のモツの旨みと血のコクが閉じ込められたソーセージは、ご飯との相性ばっちり。豚肉を知り尽くした先住民族ならではの調理法です。
豚肉のほかにも鶏、水牛そして時には犬の肉も供されます。特に鶏は山岳民族の村を訪れると頻繁に振る舞われます。彼らは血一滴すら無駄にしないように出血させることなく首を棒で叩いて絞め、表面の羽毛を火で炙って取り除きます。その鶏で作る鶏汁がピニピカンで、皮の焦げた香りがスープに染みだして優しい味わいの鶏だしにアクセントを加えてくれます。このピニピカンはコルディレラ地方で広く食べられていて、来客があると集落の皆が集まって一緒に食べる最高のおもてなし料理なのです。
近年コルディレラ料理を提供するレストランがバギオに続々とオープンしています。前述のカフェ・ヤガムやアンドゥ・コルディレラン・ビストロのほかに、山岳地方の村を再現した観光スポットのタム・アワン・ビレッジの近くにあるファーマーズ・ドーター・レストランは行列のできるイバロイ料理の名店。バギオ中心部のマグサイサイ通りのパランドセンターと、公益市場のマハリカ・ショッピングセンターに2店舗を構えるザ・イゴロット・チーフ・レストランなど、各店特徴のある料理を提供しています。
山岳民族の文化と知恵の詰まったコルディレラ料理。バギオを訪れた折には彼らの暮らしに思いを馳せながら味わってみてはいかがですか。
(Cordillera Green Network & Share and Guesthouse TALA インターン 高橋侑也)

ファーマーズ・ドーター・レストランのキヌダイ(燻製肉)。小皿の中にあるのは唐辛子とカラマンシーで、コルディレラでは唐辛子を潰して醤油とカラマンシー果汁に混ぜたソースが好まれる。Farmer’s Daughter Restaurant’s Kinudai (smoked meat). In a small dish are chili peppers and calamansi and in the Cordillera, a source of crushed chili pepper mixed with soy sauce and calamansi juice is preferred.
![]() 豚の食肉処理。コルデリエラでは表面を炙る加工が行われるのが一般的。昔は薪の火を利用していたが現在ではガスバーナーも用いられるPig meat processing. In Cordeliella, it is common to perform processing that cuts the surface. In the old days firewood was used, but now gas burners are also used. |
![]() カフェ・ヤガムで燻製中のソーセージ。丸一日燻製にすると食べごろSausages being smoked at Cafe Yagamu. It is about to good eat when smoked for a whole day. |
![]() コルディレラ・フードフェアでのピニピカン(鶏汁)の調理実演Cooking demonstration of pinikpikan (chicken soup) at the Cordillera Food Fair. |
![]() ピヌネグ(血入りソーセージ)の中身。玉ねぎとニンニクの配合が味のカギThe filling of pinneg (blooded sausage). Combination of onion and garlic is the point of taste. |
バギオでコルディレラ料理を食べることができるレストラン
カフェ・ヤガム
Cafe Yagam
住所:25 J. Felipe Street, Lualhati
営業時間:正午12時~午後8時
定休日:月曜日
ファーマーズ・ドーター・レストラン
Farmer’s Daughter Restaurant
住所:Tam-awan Village, Long Long
Benguet Road.
営業時間:午前9時~午後8時
定休日:なし
アンドゥ・コルディレラン・ビストロ
Andu Cordilleran Bistoro
住所:Unit 168, Romel Suites, Naguilian Road
営業時間:午前10時~深夜0時
定休日:なし
ザ・イゴロット・チーフ・レストラン
The Igorot Chef Restaurant
パランド・センター店
住所:Lower Ground Floor Pilando Center, Magsaysay Ave.
営業時間:午前6時~午後10時
マハリカ・ショッピングモール店4F
住所: Magsaysay Avenue,
cor. Abanao St.,
営業時間:午前8時~午後9時