画餅が現実になる?
by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

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セブに来られた方は空港のあるマクタン島から本島に渡る橋をごぞんじでしょう。マニラ顔負けの大渋滞のためわずか10㎞ほどを平日であれば1時間以上もかけて移動します。マクタンの工業団地に勤務していれば毎日往復に3時間はあたり前です。日本の援助で1973年に架橋された第一、1999年完成の第二の二本の橋がふたつの島を結んでいますが、これは完全に飽和状態です。
これではならぬと昨年、第三橋が着工したようです。これがフィリピンらしいと思いますが、誰も正確な情報を持っていません。新聞などでは昨年大統領が出席したセレモニーが挙行され、2020年に完成と報じられていますが、実際に着工しているのだかよくわからないようです。マクタンの南端コルドバからセブ側は建築ラッシュの埋め立て地SRP(Cebu South Road Properties)を結ぶ8,3㎞の大橋です。第一、第二が1㎞ですから雄大な構想です。問題はコルドバという場所があまりアクセスのよろしくない土地なのです。工業団地やリゾート、空港からの道路が片側一車線、橋が二車線になったらどうするのか?島内で更なる渋滞が引き起こされることは明白です。
さて、先週の話です。第四橋の話が飛び込んできました。しかも日本の援助です。かつてJICAがセブのインフラ整備のプロポーザルを作ってくれた事がありました。未来のセブはこうなるというコンピューターグラフィックに見とれたものですが、皆が考えたのは誰がお金を出すんだろうということでした。まさに画餅だと思っていたのが現実のものになりそうです。まだ、ルートも決まってはいませんが、モノレールのような公共交通機関も併設されるそうです。橋だけ作っておしまいではなくトータルで見た交通インフラの整備は待ったなしです。私の知る限り10年で一本の新道工事も拡幅も行われていません。渋滞はジプニーが悪い、トライシクルが癌だという議論はしますが、じゃあ庶民の足はどうするという部分が欠けています。その中でモノレールのような交通システムができると状況も変わってくるのかな…
因みにネグロス-セブ-ボホール-レイテ-ミンダナオを結ぶ「夢」もあるようです。