竹製の時計
第34回
Kawayan Watches
今年の8月21日に韓国の康京和外相と握手を交わした際、「金時計をして金権をひけらかしている」とSNSで批判された河野太郎外務大臣が、「竹製ですが、なにか」とツイートを返したことが話題になっています。
実はこの時計、2017年に河野外相がマニラでおこなわれたASEAN 50周年式典に出席した際、記念品として配られたフィリピン製の時計のようです。ASEAN出席後、河野外相は「竹製で軽く、アトピーがひどくならないので愛用している」とツイートしていたとのことで、これを引き続き愛用しているなら、この時計は、フィリピンのKawayan Watches(カワヤン・ウォッチ)の製品ということになります。
カワヤン・ウォッチの「カワヤン」とはフィリピン語で「竹」のこと。創業者はRex Alfred Layos(レックス・アルフレッド・ラヨス)さんと、Angeli Ortega(アンジェリ・オルテガ)さんです。2人は2015年の創業当時、まだセブのサン・カルロス大学で学ぶ21歳の大学生でした。シンガポールへ旅行に行った際、木製の時計があるのを見かけた2人は、軽くて丈夫で環境にやさしい材料、竹で時計を作ることはできないかと考え、2万ペソを元手に、まず時計を10個作るところから始めたそうです。フィリピン国内では材料が調達できないため、竹はインドネシア産、ストラップ用の皮革はネパール産、ムーブメントは日本製のものを使用し、フィリピンで組み立てています。シンプルでおしゃれなデザインの時計は自然派、エコロジー志向の若者達を中心にインスタグラムなどのSNSを通して人気を博し、はじめは月に10~20個程度しか売れなかったものが、今では週に200~300個程度、製造したものが売り切れるほどに成長しました。
今回の河野太郎外相の腕時計が話題となった際、中国のネットユーザーがこれは中国製品だと伝えたため、中国のECサイトでは「河野太郎推薦」との文字までかかげて販売する業者も出ているとか。日本のECサイトでも同様に、中国製の類似品が出品されるほどになっています。
でも、もちろんフィリピンに関係のある日本人や日本と関わりのあるフィリピン人の間では、カワヤン・ウォッチの人気が急上昇中。カワヤン・ウォッチが販売されているロビンソン・プレース・マニラの”Go Local”(ゴー・ローカル)コーナーでは、カワヤン・ウォッチを一人で20個も購入していった人もいたそうで、河野外相の腕時計と似た竹のストラップ付の時計は売り切れになっていました。お値段も2000ペソ代から3000ペソ代とお手頃で、ウェブサイトから注文すれば、フィリピン国内の配送料込みだそうです。長く使っていると、自然素材の色の変化も楽しめそうです。これからのクリスマスシーズンに、贈答用にもぴったり。時計の裏に会社名やロゴを刻印した記念品などの大口注文も受け付けています。皆様もお気に入りのデザインを見つけて、注文してみてはいかがでしょう。(悦)
Kawayan Watches
ウェブサイト:www.kawayanph.com
Instagram :@kawayanph
店舗:
・Go Local, Robinson’s Place Manila, Ermita, Manila, Metro Manila
・Kiss and Fly, NAIA Terminal 3, Pasay City, Metro Manila
・Go Local, Ayala Center, Cebu
※画像はKawayan WatchesウェブサイトおよびInstagramより