NEC World Children Nature Club held in Baguio
Video call with Asian friends!
NEC「世界子ども自然クラブ」バギオで開催
3月24日から26日にかけて「NEC世界子ども自然クラブ(NEC World Children Nature Club)」が、バギオのゲストハウスTALAを拠点に行われました。
「NEC世界子ども自然クラブ」は子どもたちの環境に対する感受性やグローバルな視点の育成を目的とした活動で、NECのサポートで日本のキープ協会(山梨県清里)が主催しています。2008年から始まり、今回は日本、マレーシア、台湾、中国、フィリピン、インドネシアのアジア6地域が参加しました。子どもたちが各地域の自然の中で活動することを通して、感じたことや学んだことをビデオ通話で伝え合います。
フィリピンからはベンゲット州の3つの小学校の生徒12名が参加しました。遠いところではなんと山道を8〜10時間歩いたあとバスで4時間かかったそうです。日本では考えられないほどの時間をかけて子どもたちはやって来たのです。
初日の活動テーマは山。会場はバギオ郊外の松林。まずは、大きな山のイラストを使って山の循環について考えます。午後になるとルーペを使って自然観察。他にもゲームなど遊びを通して自然を学びました。ゲストハウスTALAに戻り、活動の成果をインターネットを使ったビデオ通話で発表します。この日のお相手は中国の子どもたち。地元の山を紙粘土で表現し解説してくれました。フィリピンの子どもたちも葉っぱや枝を見せながら体験したことを発表しました。慣れないビデオ通話でしたが、自分の言いたいことが伝わってリアクションがあると嬉しそうに笑顔を浮かべていたのが印象的でした。
2日目は隣町トゥバの川沿いに暮らすイフガオ族の木彫り職人を訪ね、伝統の木彫り体験とナチュラル・ペインティング。木彫り体験では倒木から切り出した板に自分の名前のイニシャルを彫ったオリジナルネームプレート作りですが、さすが山の子どもたち。すぐにコツを掴み、板を足で押さえつけたり先生を真似して道具を使い分けたりと、さながら小さな職人のようでした。ペインティングでは、紙の上に枯葉や小枝、砂など身の回りにある自然のものを貼り付けアート作品を制作。自分の家や山、将来の自分など様々な作品が完成しました。この日のビデオ通話では自信満々に作品をアピール。お相手のマレーシアの子どもたちは、山に生息する動物に関する発表でした。お互いの地域の動物の話題で盛り上がりました。
最終日は日本と台湾の子どもたち(台湾の子どもたちは主催のキープ協会が日本へ招待)と通話。日本からは雪の紹介です。ソリや雪合戦、雪だるまなど実物を見せながらの発表でしたが、初めて見る雪にフィリピンの子どもたちはびっくり。しかし自分たちの発表では、3日目ということもあって「どうだ、かっこいいだろう?」と作品の見せ方を工夫したり、地元の植物や動物、生態系を詳しく紹介したり、自然環境に対する気持ちを伝えたりと紹介の仕方もずいぶんと上達。またフィリピンから稲作の様子を伝えるビンディアンダンス、日本からは富士山体操のダンス交換もあり大盛り上がりでした。
企画の最後に、全ての参加地域が同時にテレビ通話を行いました。各地域の言語で「幸せなら手を叩こう」を歌いお別れです。一つの歌をたくさんの言語で歌い、思いが一つになったことにとても感動しました。昼食後、子どもたちは沢山の経験と思い出を胸に笑顔でTALAを後にしていきました。
私はこの活動を通して二つのことを感じました。一つは自分たちの地元を知り大切にするということは環境を大切にすることにつながるということ。もう一つは地元を知っているということはそれを誰かに語ることができ、新たな人との繋がりを生むということ。私は教員を目指していますが、私もいつか子どもたちに世界と繋がれる機会を作れるようになりたいと思います。この光景をまたいつか自分のフィールドで。
(Cordillera Green Network インターン生 小岩井啓 写真:阿部佳奈美)