シーズナル・ トピックス パシッグ川の渡し船

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2017年7月6日

雨期の季語?
ホテイアオイの絨毯の上を進む
パシッグ川の渡し船
片道5ペソ、1日に300人が利用
所要時間1分渋滞なし!

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長い竹の棒を川底に突き立てて浮草をよけながらの操船

パシッグ川の川面を埋め尽くしたホテイアオイ。雨期になるとラグーナ湖から流れてくる

パシッグ川の川面を埋め尽くしたホテイアオイ。雨期になるとラグーナ湖から流れてくる

マカティ市側の船着き場で船に乗り込む人たち。渡し船には自転車も積み込むことができる

雨季になるとパシッグ川の上流にあるラグーナ湖から流れてくる浮草の「ホテイアオイ」。川面を埋め尽くしまるで緑の絨毯(じゅうたん)になったかのようだ。その中を屋形の原動機付き渡し船が小さな音を立て、浮草の中をゆっくりと対岸に向かって進んでいく。南側の船着き場はマカティに向かう途中のエドサ通りの手前で、対岸はマンダルーヨン市になる。船は約20人乗りで、自転車も積み込むことができる。約50メートル先の対岸までの所要時間は約1分。船首の男性が川底まで届く長い竹の棒を使ってホテイアオイをよけながら操船する。午前6時から8時前までが朝の通勤時間帯のピーク。この間は客を待たせないため定員に満たなくても休むことなくせっせと川を往復する。マンダルーヨン側の船着き場から2、3分歩くとトライシクルの乗り場があるので、エドサ通りの渋滞を避けるため朝晩はたくさんの人がこの渡し舟を利用している。
船主のレイ・ノベラさん(59)に話を聞いた。渡し舟の運航を始めたのはノベラさんのお父さんで戦後まもなくのことだ。現在の1日の乗客数は約300人で、船の維持費や燃料代を差し引くと手元に残るのは300~400ペソ。「大雨が降ったら船を出せないし、たいした儲けにはならないよ」と話す。1980年代の初めまでは手こぎ船だったという。
ノベラさんによると、この時季にはホテイアオイがマニラ湾の潮の干満によってパシッグ川を上流へ下流へと、行ったり来たりするのだという。また、子供のころのパシッグ川のことも懐かしそうに話してくれた。1970年代までは川の水が澄んでいて、洗濯もできたし、お父さんが投げ網をすると「ビヤ(biya)」と呼ばれる白身の淡水魚がたくさん獲れたという。
渡し船の料金は片道5ペソ。運航時間は午前5時半から午後6時半まで。

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