フィリピンのどこにでもあって、家庭でも簡単に育つフルーツの一つが、このパパイヤです。雌雄異株なので雌の木にしか実はなりませんが、種を植えておくだけで、特に世話などしなくても実を付ける生命力の豊かな植物です。
パパイヤの実にはビタミンA、C、E、葉酸、βカロチンが非常に多く含まれており、リンゴやミカンと比べても高い栄養価を誇ります。しかもカロリーと炭水化物はこの3つの中で最も低いので、ダイエット中の方にも嬉しい食材です。またイソチオシアネートと
いう大根やわさびに含まれる解毒成分やリコピンなどの抗酸化物質が含まれ、ガン抑制効果も期待できます。パパイヤに含まれるパパインというたんぱく質分解酵素には、肉を柔らかくする効果や、消化促進効果もあることが知られています。
熟れた実は半分に切って種を取り除き、メロンのように切って生食しますが、フィリピンではまだ若い青い実も野菜として調理に使います。皮をむいて、種を取り、食べやすい大きさに切って、ティノーラ(チキン・スープ)に入れたり、細く繊切りにしたものをアチャラという漬物にします。タイなどでは青い実を繊切りにしたものを水にさらし、ソムタムと呼ばれるサラダにします。ただし青いパパイヤにはラテックスが多く含まれるため、皮を剥いたり切ったりする際にはビニール手袋をする方が良いでしょう。生食の際にも人によってはラテックス・アレルギーを起こす場合がありますので、注意が必要です。
この他、あまり知られていないパパイヤの効果に便秘解消作用があります。我が家の下の子は小さい頃から便秘がちだったのですが、そんな時は完熟のパパイヤを食べさせれば、効果抜群だったものです。
またパパイヤには古い角質を取り除き、美白を促す効果があるため、フィリピンではパパイヤ酵素入りの石鹸が大人気です。日本でも輸入品のネット販売などで購入することができますが、日本ではフィリピンの価格の倍ぐらいで販売されています。フィリピンのスーパーの石鹸売り場に行くといろいろなブランドがありますが、筆者のお勧めはLikas(リカス)です。リカス石鹸は他のブランドのよく似た石鹸と違い無着色無香料なのが特徴です。保湿剤等も無添加のため、やや使用後の乾燥が気になる方もおられるかもしれません。我が家の夫は薬用せっけんなどを使うと背中に吹き出物が出ていたのですが、リカス石鹸を勧めてみた所、背中の吹き出物が出なくなりました。以来我が家では浴用石鹸もリカスにしています。(悦)