身近な伝統お菓子 エンサイマーダ

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2017年10月3日


スペインのマヨルカ地方、バレアレス諸島発祥の菓子「エンサイマーダ」。形はカタツムリのような渦巻き状で、豚脂を塗り、粉砂糖がかけてあるのが特徴です。豚脂はカタラン語で“saim”と言い、エンサイマーダとはまさに「豚脂を使った(菓子)」という意味。マヨルカ地方では、エンサイマーダを文化遺産として指定し、伝統的な方法で作られていますが、スペインの植民地だったフィリピンでは、エンサイマーダは独自の進化を遂げてきました。
1800年代の終わりごろには、マニラ市内のイントラムロスでマヨルカと同じ手法で作られたエンサイマーダが販売されていたことが、当時の新聞広告からわかっています。またパンパンガ地方では、バターを混ぜ込みバターを塗った上に砂糖とチーズをかけたものが作られるようになり、現在のフィリピンのエンサイマーダの原型となりました。ブラカン州ではのちにハムを混ぜ込んだり、塩タマゴをのせた物が作られるようになりました。
今でも街中のパナデリア(パン屋さん)では渦巻き状のパンにマーガリンを塗り、白砂糖をかけたシンプルなものが10ペソ(約22円)程度で売られており、近所の人たちのおやつとして定番ですが、少し高級なものになると、フワフワの生地の上にバターを塗ったものに、砂糖とエダムチーズがかけられていて、マヨルカ地方のエンサイマーダとは異なるものになっています。ウベ(ベニヤマイモ)やイェマ、またはドルチェ・デ・レチェと呼ばれるキャラメルクリームを混ぜ込んだバリエーションは既に定番化し、最近はブルーベリーやチョコレート、シナモンロール味など様々なフレーバーが登場しています。
日本でも製パン会社やベーカリー、コンビニなどでもエンサイマーダが売られるようになってきましたが、進化したフィリピン版のエンサイマーダは名前は同じでも全くの別物。皆さんもぜひ食べ比べてみてくださいね。

ムーラック・エンサイマーダ
Muhlach’s Ensaymada

あちこちのモールのフードコートでキヨスク販売している。小ぶりで食べやすく、ちょっとした持ち寄りに箱で買うにもお得。オリジナル16ペソ、チョコレートやウベなどのフレーバータイプ19ペソ。
カフェ・メリー・グレース
Café Mary Grace

ふわっと軽い繊細な生地と細かく削ったエダム・チーズが特徴。一つ52ペソ。
marygracecafe.com/
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イマン・サルッド・エンサイマーダ
Imang Salud Ensaimadas
レガスピー・サンデー・マーケットに出店されているパンパンガ地方の一家に古くから伝わる伝統のレシピで作られる大型のエンサイマーダ。一つ170ペソ。
(☎0920-947-8819)

www.imangsalud.com/
OVN・ブレッド OVN Bread Co.
SM オーラにあるベーカリー。アップル・シナモン、シーソルト・イェマ(キャラメル)、ウベ・ケソ(チーズ)、クランチー・ベーコン味などユニークでかわいくモダンなエンサイマーダならこちら。1つ80ペソ
Lower Ground, SM Aura Premier, Taguig
☎0925-801-7588)
www.facebook.com/OvnBreadCo/
マイリンズ・エンサイマーダ
Mylene’s Ensaymada and Banana Cake
クラシック・エンサイマーダの他、ブルーベリー、バヴァリアン、チョコレートなど、ドーナツのようなフレーバー・タイプがある。クラシック40ペソ、フレーバー・タイプ45ペソ。マリキナに3店舗、ケソン市1店舗と店舗数は少ないが、わざわざ買いに行くというファンも多い。Xavierville Q.C
☎02-358-1010, Lilac Marikina
☎02-502-4044
www.facebook.com/Mylenesbakeshop/ (悦)

 




 

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