Filipino World
第34回
Ospital/Hospital
病院
フィリピン語 アレ・コレ
みなさんこんにちは!Kumusta kayo?雨季になると蚊により媒介されるデング熱(dengue fever)が流行りますが、今年に入ってから約15万人が感染、600人以上が死亡しており、全国的な大流行が宣言されました。皆さんも虫よけスプレーを使うなど、細心の注意を払ってくださいね。デング熱は38度以上の熱が3日以上続くことが特徴ですが、それ以外の病気の可能性も考慮するため、早めに病院へ行くことを心掛けましょう。ちなみにフィリピンでは「熱、高熱」をlagnatと呼び、37度台程度は微熱sinatと呼びます。デング熱に限らず、病気になると、病院へ行かなければなりませんが、フィリピンと日本では様々な違いがあります。
Public o Private? (国公立?私立?)
医療費にお金をかけられない庶民は節約のため、国公立の病院を選ぶことが多いです。私立病院は中間層以上の富裕層が行くので設備等も最新できれいな所が多いですし、患者に対しても扱いが丁寧です。しかし私立病院も町の病院と国際認証などを受けた大病院では内容がかなり違います。メトロ・マニラならセント・ルークスやマカティ・メディカル等の大病院を選ぶの
が良いでしょう。海外旅行保険などでジャパンヘルプデスクなどが利用できる場合もあるでしょう。国公立病院の中にもチャリティー病棟(Charity ward)とプライベート病棟(Private ward)があり、チャリティー病棟はほぼ無料で治療が受けられますが、診察待ちの列も長く、病室待ちの患者が通路に寝かされていたり、病室に入れても、大部屋でトイレは共用だったりします。このように医療にも格差があるのがフィリピン社会の現状です。
Clinic o ER? (クリニック?救急治療室?)
急を要する場合は救急治療室(Emergency Room)へ直行しますが、それ以外の場合は、病院内に設けられている医師のクリニックで診察を受けます。信頼できる医師を知人などに紹介してもらって行く場合が多いのですが、病院の受付で何科の医師の診察を受けたいか伝えれば、その時間帯にクリニックの開いている医師を教えてもらえます。このように患者が医師を選ぶのが日本と違う点です。評判のいい先生の所には患者が多く来て、継続的に通い、そうでなければ患者は他の医師に移ってしまうというわけです。
Doktora o Doktor?
(女医さん?男性のお医者さん?)
フィリピンは女性の医師が多くいます。大病院の部門長なども女性の医師が多く、女性の社会進出を感じられるのもこの分野かもしれません。海外で研修を受けている医師も少なくありません。
Branded o Generic?
(薬はブランド品?ジェネリック?)
フィリピンでは処方箋(reseta)を持って病院外の薬局(マーキュリー・ドラッグやワトソンズ等)で医薬品を購入します。抗生物質などはこの処方箋に書かれた個数までしか購入できません。またジェネリック品がある場合は処方箋にジェネリック名を書くことになっていますので、薬局でも大手医薬品メーカーの「ブランド品」を購入するか、ジェネリック品を購入するか、飲む回数や値段等を確認した上で購入しましょう。
Kapag admitted (入院の場合は)
入院の場合、完全看護の日本と違い、フィリピンでは付き添いが必要です。付き添いの人が書類にサインをしたり、フィルヘルス(国保にあたる)の書類を申請したり、また沐浴やトイレの介助などをします。
このようにフィリピンと日本では病院もかなり違いがありますが、やはり体調の悪いときは素人判断せず、病院にいくことが大切です。緊急の時どうするかなど、家庭や会社などで話し合っておくと良いですね。
文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。