みなさんこんにちは!Kumusta kayo? 今回はフィリピン人の名前の話の3回目、ニックネームについての話です。フィリピン人は比較的長い名前の人が多いので、ニックネームが日常的に使われます。今回は、ニックネームの付け方の代表的なものを見ていきましょう。

 

1.頭文字
 フィリピン人はファーストネーム、セカンドネームのようにいくつか名前がついていることが多いので、頭文字がニックネームになることがあります。John PaulさんならJPさんとか、David JohnならDJさんといったニックネームがよく見られます。女性で頭文字をつなげたニックネームは比較的珍しいのですがBaby Queenという名の女性でBQさんというニックネームの人もいます。

 

2.子供のころからの愛称
 上記のようにBaby Queenが本名という人もいますが、本名に関係なくベイビーさんというニックネームの女性や、男性ならボーイさんというニックネームの人が多くいます。年配になっても、Tita Baby(ベイビーおばさん)とか、Tito Boy(ボーイおじさん)というのは違和感を感じますが、子供のころからの呼ばれ方がそのままニックネームとして定着しているようです。同様に女の子に対してはNene(ネネ)とかNeneng(ネネン)やInday(インダイ)、男の子に対してはTotoy(トトイ)等と呼びかけるのが、そのままニックネームになっていることもあります。父親の名前にJr.(ジュニア)が付けられた名前の人はJunというニックネームで呼ばれることがよくあります。

 

3.名前の省略形
 一番多いのは名前の一部を省くなどしたニックネームですが、KatrinaさんならKatとかCristinaさんならCrisとかTinaとかTinとかあるいはTintinなどが代表的な例です。またMaria CristinaならMaricrisのように縮めることがあります。またMarian(マリアン)とかDiane(ダイアン)のような名前の場合、後ろの-ianだけとってYan-yanとかYang-yangと呼ばれたり、EduardoとかDiosdadoのように-doで終わる名前の場合はDodongとかDongdongと呼ばれる場合も。音節を繰り返すニックネームが多いのもフィリピンのニックネームの特徴です。前号で紹介した筆者の義妹は、クリスマスの翌日に産まれたのでGift(ギフト)と名付けられましたが、ニックネームは最初の二文字を繰り返してGigi(ジジ)と呼ばれています。

 

 

4.特定の名前に決められたニックネーム
 本名がFrancisとかFranciscoならKikoとか、CarlosならCaloy、Jose(ホセ)ならPepeとかPeping、Ricardoならフィリピン風にCarding(カルディン)とかRico(リコ)、あるいは英語風にRickのようにある程度ニックネームが決まっている場合もあります。

 

 フィリピンではビジネスの場などでもニックネームを使うので、何年も話をしていても本名は知らなかったなどということも起こりがちですが、本名やその由来を聞いてみると、いろいろな新しい発見があるかもしれませんね。

 

文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。