コミュニティ防疫により、語学学校も3月から休校を余儀なくされました。留学生とフィリピン人の教員を擁する語学学校はどのような対応しているのでしょうか。また、この厳しい状況を乗り切るため対策とは。バギオとセブで英語学校ストーリーシェアを運営する松本文夫さんに聞きました。(ナビマニラ編集部)
フィリピンに残った留学生に
住居と英語に触れる環境を
3月中旬にコミュニティ防疫が始まり、休校しなくてはならなくなった時、当校のバギオ校、セブ校にそれぞれ10数名ほどの日本人生徒が在籍していました。ちょうど私はバギオにいたので帰国を希望される方に空港までのバスと航空券の手配をし、フィリピンに残ることを選んだ方には引き続き当校の寄宿舎に滞在していただくことにしました。セブ校にも担当者を通じて同様の対応をしました。
当校はアットホームな少人数制で、校舎は教室と寄宿舎が一体型となっています。自宅からの通学ができなくなったフィリピン人教師にも学校に住み込んでもらい、授業はできませんが、日常生活の中で英語を使い、学べる環境を整えました。
私自身は朝から夜12時すぎまで仕事をしています。これは2007年の学校創立以来変わらない生活パターンです。今回の非常事態をきっかけに、オンラインによるサービスを充実させることに取り組んでおり、今3つのプロジェクトを進めています。
オンラインを活用して
人と人をつなぐ機会を提供
一つは、ウェブ会議ツールのZOOMを使っての国際交流イベント。当校の卒業生やオンライン生徒に、世界各国の人とつながる機会、留学で学んだ英語を実際に使えるように日本全国、世界中の人々と話す場を提供しています。日本人は外国人の友人がほしいと思っていても機会がなかったり、恥ずかしがったりしてなかなかできないのが現実。オンラインならそうした障壁もないように思います。またパンデミック以前よりも今はオンライン会話が普及したことで参加しやすくなっていますし、むしろ日本全国、世界中と簡単につながり、可能性は無限になったと参加者も感じています。
イベントは自由退出OK。英語に自信がない方はまずは見学するだけでもいいですし、
二つ目はスカイプでのオンライン授業です。語学メソッドに基づいたオンライン授業を行っています。多くの1対1のオンラインレッスンでは自己紹介だけで終わってしまったり、自由に会話を楽しむだけという場合もありますが、英語の上達は期待できません。
いままでオンライン英会話や英語留学ではあまり伸びなかったという「英会話難民」の方たちに、当校は喜ばれております。これは、今までのオンライン英会話にはなかったいくつものメソッドを取り入れた指導を提供しているためです。英語教師を育てる日本の国立教育大学の英語科教授からも毎年語学研修を任されたり、記憶力に不安を持つ年配者の方まで幅広くご利用いただいております。
今後の見通しが不明な今こそ
より良いサービスを考える
三つめはYouTubeで発信する英語教材です。YouTubeにはすでに多くの英語教材がアップされていますが、どれも解説するだけでインプットで終わっているため、英語を話せるようになりません。そこで今までにない、本当に役立つ、英語が上達する教材にしたい。日本人がつまずきやすい文法などについて解説する内容など、包括的な教材をシリーズ化していきたいと考えています。
現在はこれらオンラインのサービスは無料で提供していますが、
例年4月は当校への入学者が多い時期ですが、今年はすべてキャンセルとなりました。今後海外留学を控える状況が生まれるようなことも思うと、今年中はひょっとすると新規の入学生を受け入れることは厳しいかもしれません。ですのでオンラインを駆使したサービスの充実に注力しつつ、当校ならではのユニークな英語留学プログラム、ITスキルと英語を実践的に伸ばす「オンライン英語&ITプログラミング留学」や、パンデミック収束後は英語とサーフィンのレッスンを組み合わせた「サーフィン&英語留学」、石垣島での英語留学のプロモーションを考えていきたいと思います。
松本 文夫(通称:Mio)さん
英語学校ストーリーシェア(StoryShare)最高執行責任者。「バギオとセブを拠点にしていますが、どちらか1カ所に2カ月以上も滞在するのは今回が初めて。収束したら日本へ出張しなくては」
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