フィリピンの気になるモノ・コト
私が住んでいるマカティ市のコンドミニアムの前に学校があり、高い木が生い茂っている。そして今の時期、朝の通勤途中、その木の上からジー、ジーという音が聞こえる。木が多い公園でも似たような鳴き声を聞く。私はセミの鳴き声だと信じているのだが、フィリピン人の同僚に聞いても「コオロギ?」とか、セミの写真を見せても「これは蛾(が)?」とセミという昆虫自体を知らないようで驚かされる。
あの鳴き声はセミではないのだろうか? 常夏のマニラなら1年中セミがいても不思議ではないかもしれないが、この鳴き声を聞くのは毎年7月ごろのような気がする。日本によくいるアブラゼミかニイニイゼミだとばかり思っていたのだが、マニラでセミの姿はおろか、抜け殻や死骸を見たこともない。そういえば、フィリピンに限らず、私は日本国外でセミを見たことがない。鳴き声も聞いたことがない。
日本で聞くセミの声、特にうだるような真夏に聞くアブラゼミの鳴き声は決していいものではなかったが、マニラで聞くと、どことなく懐かしさもあって、心地よく感じる。しかし、あの鳴き声がセミじゃないとしたら、いったい何の鳴き声なのだろう?(T)