新年が明けて日本ではまだ正月気分の真っ只中。しかし、フィリピンでは通常すでに平常モード。
もう少し新年の気分を味わうために、フィリピン流の新年料理を楽しんでみてはいかが?
ゆるい? 存在うすい?
しかし縁起を担ぐ料理
フィリピンで新年に食べる料理についてフィリピン人の同僚らに聞いた。すると、クリスマスイブのノチェ・ブエナ(Noche Buena)で特別料理を食べ、12月31日の夜、年越しに食べるメジャ・ノチェ(Media Noche)で食べきれなかった料理を新年の初めに食べるという声が多かった。日本の年末年始はお正月がメインなのに対し、フィリピンではクリスマスが一大イベントというのも関係しているのだろうか。年が明けてから特別に作って食べる料理というのは特に決まっていないようで、諸説ある。
しかし、そんなゆるい中でも、やはり縁起を担いで食べる料理はフィリピンにもある。その主なものが、12個の丸い形の果物、パンシットなどの麺料理、そしてもち米で作った菓子。縁起を担いで麺やもちを食べるのは、日本の年末年始にも似ている。コロナ禍に苦しんだ2020年を乗り越え、良い年への祈り込めてこれら縁起のいい食べ物をいただこう。
チキンや魚は
新年に食べるべきか?
日本のクリスマスといえば、某K社のフライドチキンが定番の料理。このこと自体に海外では驚かれるが、フィリピンでは年末年始には鶏肉料理を食べるなという言い伝えがある。鶏はいつも食べ物を探しまわっているイメージがあり、チキンを食べると、新しい年に食べるのにも困ることになるというのが、避ける理由だそうだ。
魚も同様の理由で避けるべきという説がある。しかし、一方、魚を一匹丸ごと調理して食べるべしという説もある。その理由は、魚はエビやカニと違って前に向かって泳ぐ。ウロコがお金をイメージする。中国語で魚の発音(Yu)は「余」と同じで、余裕がある、豊かな暮らしを意味するなど縁起がいいからだ。
フィリピン人の中には、チキンや魚を避ける迷信を知らず、「なんでも食べる」という人もいる。やはりどことなくゆるいのが、フィリピンらしさだろうか。