本日2月12日は旧正月、中国正月ということで、マニラ市の中華街ビノンドへ行ってきた。コロナ禍とはいえ、店が立ち並ぶオンピン通りには多くの人が繰り出していて、縁起物の飾りや餅菓子ティコイ、肉まんを売る店の前には人だかりができていた。警察官が人だかりを見つけると、拡声器で「ソーシャルディスタンスお願いしますー」と注意するという光景も見られた。
ビノンドに行った目的は、ショッピングモールのラッキーチャイナタウンで毎年旧正月の時期に登場する巨大な干支のオブジェや、十二支ごとの詳細な今年の運勢が展示されるのを見ることだった。しかし、今年はコロナ禍のせいか巨大な牛のオブジェもなければ、運勢の展示もなかった。残念。
気を取り直してランチに向かったのは、同行したまにら新聞の記者おすすめの中国料理店ウノ・シーフード・ワーフパレス(UNO Seafood Wharf Palace/第一海鮮酒家)。私もエスコルタ通りにあるこの店は知っていたが、何度も前を通り過ぎただけで食事をしたことがなかった。シーフード・ワーフと聞くとサンフランシスコ湾のイメージがあるが、近くにあるのはパシッグ川である。中国料理店なのにUNOというイタリアンっぽい店名も不思議だった。
いざ、店内に入ると、1階に10人ほど座れる円卓が10以上あり、満席。華人の家族でにぎわっている。2階も同じく広さで、そちらも満席のようだ。20分ほど待ってようやくテーブルに通された。円卓でフィリピン人のご夫婦と相席である。この店によくいらっしゃるのですかと聞くと、「しょっちゅう来ます」と奥様。
私たちが注文したのは、ポーク蒸し焼売、蒸し鶏、麻婆豆腐、四川酸辣湯、海鮮炒飯。久々に本格中国料理を楽しんだ。どの料理も3〜4人前のボリュームがあり、結局2人では食べきれずに持ち帰った。会計は飲み物2品と、同僚が持ち帰り用に頼んだオイスターケーキを含めて約2,000ペソ。コスパもいい。帰り際、オーナーと話す機会があって聞いたところ、彼は中華系フィリピン人。店のシェフは香港出身なのだそう。オーナーは日本の銀座、渋谷、築地魚市場に行ったことがあると話してくれた。
これまでビノンドのいろいろな店に行った。ビノンドに住む華人の紹介で歴史ある店やそれなりにディープな店にも行ったが、今日、こうして中国正月の元旦に華人家族でにぎわう本格広東料理に出会えたのは良かった。外国人、いや、一般のフィリピン人でもビノンドのいい中国料理店を知っている人はあまりいないかもしれない。まさか日本人の同僚に紹介されるとは思わなかった。これも灯台下暗しというのだろう。(T)