マニラ動物園が、新しくなって帰ってきました! 

 

 

 

今はちょっとお披露目中

 

 2019年1月に閉鎖されてから、昨年12月に改装工事に携わった関係者とその家族に初公開された新しいマニラ動物園。本誌も早く新しくなった動物園を見たい、読者にその姿をお伝えしたいと思い、ようやく2月16日に行くことができた。現在はスニークピーク(Sneak Peak)、映画で言うなら予告編、ちょっとだけ一般にお披露目期間となっている。

 

 筆者は以前のマニラ動物園に行ったことがなかったが、同行した地元のフィリピン人スタッフも「マニラ動物園を訪れるのは15年ぶり」だったり、「7歳の時に来て以来」と32歳のカメラマンがつぶやいたりと、かなり疎遠になっていた様子。今回新しくなった動物園を見るや一様に、「昔の動物園と全く違う!」「すごくきれい。立派になった」と感嘆しきり。現在は子どものワクチン接種会場になっていることもあって、家族連れでにぎわっていた。ワクチンを接種した後、新しくなった動物園を見る特典付きというのは、ワクチン接種を進めるのにいいアイデアだと思う。

 

 

 

KOISはベンガルトラの突然変異で親もホワイトタイガー。毎日2.5キロの肉を食べる。見ていると「なんだこのやろう」と言われている気がする。

ゾウのマリ50歳。人間の年齢では70歳を超えるがまだまだ食欲旺盛。1日200キロの草を食べる。

 

 

 

人気者のゾウも元気

 獣医のマイキーさんに案内されて、マニラ動物園に新しく完備された動物病院のエリアに行くと、さっそく白いトラ、ホワイトタイガーがいた! パンパンガ州のクラーク・サファリパークからやってきた生後4カ月のオスは、マニラ市のイスコ・モレノ市長の名前ISKOにちなんで、KOISと名付けられた。確かに大きな猫といえば猫なのだが、その太く力強い手足や精悍なまなざしは、やはりトラの子。今年は寅年。健やかに育ってほしいものである。動物園には普通の黄色いトラもいる。はたしてどちら方が人気者になるか。 

 

 続いて会えたのは昔からの人気者、ゾウのマリ(Mali)。1977年にスリランカから3歳の時にマニラにやってきたメスのマリは、今年で約50歳。この動物園の重鎮である。

 

 エサをあげると、長い鼻を器用に使ってバナナやイモを口に運ぶ。エサ終了となると、鼻をムチのように振って不機嫌な気分を表現する。なにかと便利な鼻。ちなみにマリはウィキペディアにページがある有名ゾウなので、ぜひそちらもお読みいただきたい。

 

 

2月はクジャクの繁殖期にあたり、オスは羽根を広げてメスにアピール。

フラミンゴ? ひょっとしてトキ?と盛り上がったが、マルチカラー・ストークというコウノトリの一種。

 

 

 

気軽に行ける都会の動物園

 

 マニラ動物園には、鳥も多く飼育されている。今回はクジャクなど一部しか見ることができなかったが、ゆくゆくは国鳥フィリピンイーグルも展示されるという。また、フィリピンモンキー、さらにワニやトカゲなどの爬虫類の展示や、蝶の博物館もある。約80種の動物が展示される予定だが、現時点で公開されている動物は限られ、園内の展示施設や飲食店、土産店などまだ工事中のところも多い。フライング気味ではあるが実際に見ると、グランドオープンへの期待が高まる。ディレクターのアリピオ・“ピオ”・モラベ氏によると、グランドオープンは6月を予定しているという。

 

 

園内にある蝶の博物館。おみやげコーナーでは蝶の標本、Tシャツ、アクセサリーなどを販売。

 

 「マニラ動物園がめざすことの一つは、フィリピンならではの動物を飼育し、展示すること。子どもたちを始め、来園者に動物について学ぶ機会を提供したいと思っています。マニラの市街地にあり、近くの大型ショッピングモールへ家族で買い物にきて、いっしょに動物園を訪れることもできる。シンガポールのように、夜10時まで開園するナイトサファリの構想もあります」

 

 1959年に開園し、東南アジアの動物園の中でも有数の歴史を誇るマニラ動物園。リニューアルを経て、もうすぐその歴史の第2章が始まると同時に、国内外から人が集まるマニラの新名所ができることを喜びたい。

 

都会のオアシスのような園内。

 

Manila Zoo  

所在地:M. Adriatico St, Malate, Manila, 1004 Metro Manila

※入場者数制限のため、ウェブサイトから無料チケットを申請・登録が必要(2022年3月25日現在)

 

 

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