2月4日土曜日の午後、家族連れや友人同士のグループでにぎわうリサール公園。その公園内の一角にあるオープン・エア・オーディトリアムは、子どもたちの自信や希望で満ちていた。

 

 

 オーディトリアムで行われていたのは日系NPO団体「DEAR ME (ディアミー)」主催のファッションショー。ファッションを通して持続可能な社会づくりを目指すDEAR MEは、2015年からフィリピンの貧困地区で暮らす子どもたちをモデルに起用し、ファッションショーを開催してきた。

 

 

 第9回を迎えた今回のショーのテーマは「HELLO ME」。66人の子どもたちが夢や希望を載せてランウェイを颯爽と歩き、観客に感動を与えた。プログラム序盤のオープニング「Hello Stage」から、さっそくピンク色のDEAR METシャツを着た10人の子どもたちがステージ上でキャットウォークを披露。モデルたちの笑顔と応援に駆け付けた観客の声援に溢れたインパクトあるオープニングとなった。

 

 

オープニングの「Hello Stage」

 

 

 その後の「Smile Stage」では、白地のDEAR MEオリジナルTシャツを着た66人の子どもたちがランウェイを歩き、「Dance Stage」では子どもたちによるダンスパフォーマンスも行われた。

 

 

 

 

 

 

 

 「Guest Stage」ではフィリピン・プロフェッショナル・モデル協会(PMAP)のモデル3人が子どもたちと手をつないで登場。プロのモデルに負けず劣らず堂々と歩く子どもたちの姿がかわいらしくもあり、たくましくも感じられるステージとなった。

 

 

 

 

 ショー後半のハイライト「My Stage」では、子どもたちによるデザインを日本の服飾関係者たちが残布やリサイクル素材を利用して制作したコスチュームを披露。前半のステージでは少々緊張気味に見えた子どもたちも、このステージでは自信にみなぎって堂々とプロのモデルさながらのウォーキングをみせてくれた。そしてポージングとともに時折みせる笑顔が、いかに子どもたちがこのショーを楽しんでいるかを物語っていた。

 

 

 

 

エンディング後の集合写真

 

 

 

ファッションスクール「coxco Lab」開校

 

 

 ファッションショー翌日の2月5日(日)には、DEAR MEグループによるファッションスクール「coxco Lab」の開校式が、首都圏ケソン市で行われた。開校式には、スポンサー企業や生徒8人、教師3人などが出席し、パンデミックを経てついに開校できたことの喜びを分かち合った。開校式中、DEAR ME関係者が涙をみせた場面もあり、開校までの努力と苦労が垣間見えるようだった。

 

 

coxco Lab校舎前でリボンカットの様子

 

 

 今回司会を担当したスポーツキャスターのアップル・デビッドさんは、「このような大きなステージでランウェイを歩くことは、子どもたちにとってかけがえのない経験になるだろう」と司会中に語っていたが、本当にその通りだと思う。

 

 

 coxco Lab開校式で、生徒の1人は「もともとファッションやアートは自分には向いていないと思っていたが、DEAR MEのファッションショーを通して自分の好きなことに気づくことができた」と話す。まさにDEAR MEが目指す「子どもたちの可能性を最大限に引き出し、公平に夢に向かうことができる社会」の実現に近づく一歩を創り出していることが感じられた。

 

 

 

 DEAR ME代表理事の西側愛弓さんは「いろいろな人のサポートのおかげでここまで来ることができた。でもこれからが始まり」と意気込む。今後もぜひDEAR MEの活動に期待したい。(METR)

 

 

DEAR ME定番の「ジャパン・ジャパン」ポーズ

 

 

DEAR ME

ウェブサイト