フィリピンでラーメンといえば、とんこつスープ。そんなイメージに一石を投じるラーメン店が登場した。6月3日、首都圏マカティ市でグランドオープンを迎えた「祭儀 (SAIGI)」の看板メニューは、坦々麺。和食のシェフとして京都、東京、ロンドン、香港での経験を持ち、オカダ・マニラで総料理長を務めた吉田篤史シェフが東京・青山の中国料理店のまかない料理として出会い、感銘を受けた一品がルーツとなっている。
味が何層にも積み重なったような、深く濃い味わいを生み出すのは30種類におよぶ食材と、経験に裏打ちされた確かな調理技法。和食のみならず、フレンチや中華料理の技法を駆使してつくるのが、祭儀ならではのラーメン。そして、現在は坦々麺のほか、黒豚豚汁ラーメン、醤油ラーメン、 和牛カレーつけ麺、長崎ちゃんぽん、冷やし中華の6種類をそろえ、それぞれ異なるスープを手間を惜しまずつくるのが、祭儀流だ。
ラーメンと一緒に楽しみたいアラカルトメニューには、吟味・厳選したフィリピン産食材を使用。バタンガス州産の黒豚肉を使ったメンチカツとギョウザはやわらかく、口の中で肉汁があふれ出す。アラバンで水耕栽培でつくられたシャキシャキとした野菜は、マニラにいながらこのクオリティの野菜を食べることができることに感動せずにいられない。食べ放題のサラダバー(178ペソ)でたっぷり楽しめるのがありがたい。
おいしいラーメンと一品料理でお腹とココロを満たすのはもちろん、マニラ暮らしで陥りがちな野菜不足の解消にも活躍してくれるのが、祭儀なのである。