フィリピンが誇る交通手段、マニラの街を縦横無尽に駆け巡るジープニー。一般にジープニーが出発する乗り場といえば、特に表示もなく、おじさんやおばさんが行き先を叫んで乗客を呼び込んでいるところである。
先週末、マカティ市アヤラセンターのデュシタニホテル近くのジープニー乗り場へ行ったところ、ガラーンとしていた。いつもならたくさんのジープニーが集まり、長い行列ができているのに、ジープニーも人もいない。近くにいた警備員によると、新しくできたワンアヤラ(One Ayala)のバスターミナルに移動したという。
そこでまずMRTアヤラ駅に行き、表示に従い、ジープニー乗り場へと向かった。行き先の表示にはジープニーとは書いてなく、PUJとある。Public Utility Jeepeyの略だ。今度からジープニーを通っぽくPUJと呼ぼう! と思ったが、辞書で調べるとPUJは泌尿器系の病気のことも意味するらしいので、やめておく。
ジープニー乗り場に到着して驚いた。空港の搭乗ゲートのようだ。5月にできたばかりということで、当然のことながらフロアはピカピカできれい。これはジープニーを取り巻く環境の変化の始まりなのだろうか?
今のところ、呼び込み&料金取集係のおじさんやおばさんはいるし、突如近代化したドアの向こうには相変わらず車体に行き先が手書きで書かれたジープニーも待っている。しかし、いつかこの行き先表示も電光掲示に、ジープニーの動力は環境に配慮したハイブリッドや電気になり、車内で乗客同士が手渡しして支払う料金もそのうちキャッシュレスになるのかもしれない。フィリピンのアイコン、歴史的&文化的遺産としてのジープニーの未来はいかに?(T)