セブの集金係の悪夢
[デイリートリビューン・7月20日] 7月4日、オートトバイに乗った集金係の男性が、セブ市のサウス・コースタル・ロードをマンダウエ市に向かって走っていた。すると、ほかのバイクに乗った人から、何か落としたと教えられた。集金係の男性が後ろを振り向くと、人々が群がっている。
その光景を見て、集金係の男性は青ざめた。彼のバッグのファスナーが壊れて集金したお金がばらまかれ、人が拾っているではないか!
警察を呼んで助けを求めたが、戻ってきたのは208万3000ペソ。その日集金したのは約400万ペソなので、回収した金額にはるかに及ばない。戻って来なかったお金は、集金係の彼が弁償することになってしまうため、彼はお金を拾った人たちに返してくれるように訴えている。
失くした財布や、置き忘れた多額の現金が無事戻って来て、見つけた人に謝礼が贈られたという話を聞くことがある。今回のように不特定多数の人が見つけて拾った場合、良心を持った人が何人いるかが問題かと思うが、果たして……。
見知らぬエコバッグの中には……
[デイリートリビューン・8月15日] セブのラプラプ市に暮らすジョフィルさんは、ある日駐車しておいた自分のバイクのハンドルにエコバッグがぶら下がっているのを見つけ、だれかがゴミを入れたエコバッグを掛けていったと思い、その場に投げ捨てた。すると、そのバッグが動いた。驚いたジョフィルさんがおそるおそる中身を見ると、女の子の赤ちゃんが入っていた。すぐに病院に連れて行かれた赤ちゃんは幸い無事。警察は赤ちゃんを放置した者を探している。
最近はフィリピンでもエコバッグが浸透してきている。エコバッグは紙袋やプラスチックバッグよりも丈夫で長持ち、環境にもやさしい。しかしこのような保護責任者遺棄罪に問われるような行為に使われるとは。エコバッグは透明にすべきだろうか?
トライシクル運転手の60の手習い
[デイリートリビューン・7月28日] 西ミンドロ州のアートゥロ・フェルナンデスさんは、7月17日、サブラヤン・セントラル・スクールを卒業した。フェルナンデスさんは66歳。貧困を理由に小学2年で学業を断念していたが、教育省のオルタナティブ・ラーニング・システムを利用して、トライシクル運転手として働きながら、この度小学校を卒業した。
6人の子の父親でもあるフェルナンデスさんの学習意欲は衰えることなく、技術教育技能開発庁(TESDA) のトレーニングコースで学ぶ資格でを得るべく、勉強を続ける予定だ。そしてTESDAの資格を得て、転職することを目標に掲げている。
年齢と学校に関する話題をもう一つ。カビテ州のエンリコ・パントーヤ君は15歳。ほかのクラスメイトとは年が離れているのが、最初は恥ずかしかった。彼が通っていたのは幼稚園。読み書きが嫌いで、学校へ行くのも嫌だった彼だが、幼稚園へ行き、周りの園児からはKuyaと呼ばれて親しまれ、卒園時には特別に表彰も受けた。パントーヤ君は言う「年齢のことなんて誰も気にしないから、恥ずかしがらずに幼稚園へ行こう」。
このような話を聞くと、なぜか筆者も学ぶ意欲が出てくる。とはいっても、小学校のころから嫌いだった算数、数学を今から学ぶ気はないのだが……。
最強の(?) ウェディング・プランナー
[デイリートリビューン・7月19日] 結婚にはお金がかかるということで、地方自治体によっては合同結婚式を主催し、カップルの出費を抑えるための支援をしているところもある。
ケソン州カタナウアンの合同結婚式では、自治体がスポンサーとなって無料で披露宴を開き、30組の新婚カップルが参加するキスコンテストを開催。3分間以上キスをし、一番長く続けたカップルに賞金が渡された。
ミンダナオ地方カガヤンデオロ市に住む女性、ベイソンさんは無料の合同結婚式に参加したいと思っていた。彼女は花嫁であり、出産を間近に控えた妊婦でもあった。
挙式当日、ベイソンさんは病院を抜け出し、結婚式に出た。手首にまだ病院のリストバンドを着けたままだ。無事合同結婚式を終えた彼女は、病院ですでに出産していたのである。
ベイソンさんにとって合同結婚式は、出産祝いの式でもあった。