家族でのお出かけや恋人とのデートなどで定番のスポットといえば、水族館。
もちろん、マニラにも水族館はある。首都圏マニラ市の「マニラ・オーシャンパーク」
休日にどこに行こうか迷ったら、ぜひ訪れてみたいスポットだ。

 

 

海中生物のお腹まで隅々観察

 

 オーシャンパークでは、フィリピン国内および東南アジアの海中生物277種類、合計1万4千匹が、種類・地域ごとの7つのコーナーに分かれて紹介されている。

 

 中でも特に注目したいのはトンネル型の水槽。私たちの周りを魚が優雅に泳ぎまわって頭の上を通り越していく様子は、まるで自分が海底にいるような感覚を味わえる。生きた魚の腹の部分を見ることができるのは珍しい経験だ。水槽の底で休んでいるエイを間近で見たと思ったら、ふわっと浮き上がって水槽の壁沿いを泳ぎ出す。私たちに顔を見せて挨拶をしてくれているかのようだ。

 

ぐるっと220度見渡せるトンネル型の水槽

 大きな水槽の中であちらこちらへ泳ぎ周るのは、サメ。サイズが小さくても、サメというだけで迫力があり、恐怖を感じる。いろんな角度から眺めるうちに、急にこちらに突進してくるのではないか、とそわそわしてしまう。

 

こちらに向かってくる…!?

 

 

常夏の国にペンギン?

 

 「トレイル・トゥ・アンタルクティカ(Trail to Antarctica)」という南極をテーマにしたコーナーには、なんとペンギンがいた。フィリピンのような常夏の国にペンギン? ミスマッチに不安を覚えたが、問題はない。あるペンギンはスイスイ水の中を泳ぎ、あるペンギンは氷の上でバタバタと跳ね、あるペンギンはよちよち歩き、また全く動かずボーッとしているのもいる。それぞれ楽しんでいるようだった。十人十色ならぬ、十ペンギン十色といったところだろうか。ちなみにペンギンは漢字で人鳥と書くので、十人鳥十色である。

 

 

水中と地上のペンギン両方を見ることができる。

 

 

ただの水族館では終わらない

 

 

 マニラ・オーシャンパークでは海中の生物だけでなく、爬虫類や両生類のコーナーもある。そこではカエルやヘビ、トカゲ、タランチュラなどがじっとこちらを見つめてくる。先ほど見た活発に泳ぐ魚たちとは真逆で、ピクリとも動かないものもいて、本当に生きているのだろうかとちょっと心配になるくらい。物静かで、つぶらな瞳がなんだかこちらを見つめているようで、かわいらしく思えてくる。

 

 

まるでカメラに向かってポーズをしてくれているかのようなハンサムなトカゲ

 

 

 このほか、いろいろなクラゲがいるエリアがあったり、アシカショーなども行われたりと、楽しみが盛りだくさん。食事やお土産のコーナーも充実している。 すべてのアトラクションを体験できるチケットは通常3,300ペソだが、来年1月14日までクリスマス・プロモーションを実施中で699ペソからチケットが購入できる。開園時間は午前10時から午後6時まで。

 

 首都圏マニラ市のキリノ・スタンドやリサール公園など、観光地が多く集まるエリアの海沿いにあり、海をテーマとした宿泊施設「ホテルH2O」も併設されているので、近辺の観光と合わせて行くのも良さそうだ。この機会を逃さず、ぜひ家族や恋人、友人と一緒にたくさんの海中生物や爬虫類、両生類に囲まれた非日常的な空間に出かけてみては?

 

 

 

(初出まにら新聞2023年12月16日号)