フィリピンの中央部に位置するビサヤ地方の島の1つであるネグロス島。島内最大の都市バコロド市は「ほほ笑みの街」と言われ、島全体としても比較的治安がよく穏やかなことで知られている。そんなネグロス発の製品たちを売り出す第38回ネグロス・トレード・フェア2024が、マカティ市にある商業施設グロリエッタのアクティビティセンターで開催中。22日(日)まで行われるフェアの会場は「ハラド(Halad/セブアノ語で献身、贈り物)」をテーマに、ネグロスの名産品で溢れている。
島の北端に位置するカディス市の特産は魚の干物。カディス市のブースには、日本でも見慣れたような干しイカやアンチョビ、またラビットフィッシュ(アイゴの一種)であったり、甘しょっぱい味付けがすでにされているフィッシュ・トシノが並んでいた。酒飲みの人は、つい干物のにおいにつられてカディス市のブースにたどり着いてしまうことだろう。
さまざまなブースが並ぶ中で、ターメリックパウダーが共通して売られていることに気づいた。店の人に少し聞いてみると、どうやらネグロスの山岳地方にはターメリック農園が広がっているのだとか。お茶や料理のスパイス、そして日本では二日酔いに効くといわれるウコンとして知られるターメリックだが、あまりフィリピンのイメージはなかったので、少し意外な発見であった。
実際にその場で調理した地元のおやつも販売され、一部行列ができているブースもあったり、強烈なにおいと後味のチーズを扱った専門店が試食を展開していたり。食べ物以外では、かばんや雑貨などの工芸品もあり、買い物好きは心躍るに違いない。筆者はついつい娘用のベビー服を購入してしまった。
マニラ首都圏や周辺のルソン島在住者は、なかなかネグロスまで足を運ぶ機会がないことが多い。そんな中で、少しでもネグロスの雰囲気を楽しむことができ、またこのフェアをきっかけにネグロスへ足を運ぼうと思うかもしれない。筆者は、まさにネグロスに興味を持ち、次の旅行先にと、決心したのであった。(新)