マニラにいる人なら、一度は聞いたことがあるでしょう、プエルトガレラ。このリゾート地に、マニラ在住9年目にして初めて行ってみました。

 

世界をとりこにするリゾート
行けばわかるその魅力

 ダイビングもせず、ビーチにもそれほど惹かれないので、筆者には無縁だと思っていたプエルトガレラ。なのですが、結論からいうと、行ってよかった。というより、すごくよかったのでまた行きたいというのが正直な感想です。

 マニラからバスとフェリーを乗り継いで行ったのは9月中旬、観光シーズンでいうならローシーズン、閑散期中の閑散期、しかも雨によく降られた2泊3日。それでも行ってよかったと思えてしまうプエルトガレラ恐るべし。

 リピーターの人が聞いたら、何を今さらと思われるでしょうが、何がよかったのか。主な3つの理由を挙げてみます。

①マニラとは別世界なのんびりとした雰囲気:観光シーズンの真っ只中ではないからこそ、いっそうのどかな雰囲気を感じられたのでしょうか。ストレスが原因と思われるカチカチに固くなった筆者の首と肩が、プエルトガレラにいるうちにスッキリやわらかく!遠くに見える緑を眺めていると、目も癒されるぅ~~~と感じました。

②きれいな遠浅の海:ムリエ港(Muelle)からバンカーボートで10分ほど行った島(バランガイ・サンアントニオ)のビーチで同行者がシュノーケリングをしたところ、広く続くサンゴ礁で多様な魚を見ることができたそうです。筆者は砂浜のガゼボ(小屋)でひたすらくつろぎ、気が向いたら遠浅の海の中を散歩しました。オフシーズンでも十分きれいな海だと思いましたが、ベストシーズンはまさに絵葉書のような景色が現れるんだそう。

ムリエ港からバンカーボートで約10分で行ける島(バランガイ・サンアントニオ)からの眺め。遠浅の海にサンゴと砂でできた白い中州を地元の人は「リトル・ボラカイ」と呼ぶ。

 

③いい店が多い!食べ物がうまい!:旅の楽しみは食にあり。プエルトガレラ在住のモルテル琴さんに、おすすめの店を紹介していただいて訪れた店は、全部当たり!(インタビュー記事をご覧ください!

  そのうちの一つ、店内からの眺めもすばらしいビューポイント・レストランのビコール・エクスプレスとシシグは、これまで食べた中で一番と思えるほど。プエルトガレラには欧米人が多いことから、フィッシュ・アンド・チップスなど西洋料理のレベルも高い!隠れ家バーのビッグアップルではマニラではもうあまり見られないビール「ビア・ナ・ビア(Beer Na Beer)」を飲めました。

ビューポイント・レストランのビコール・エクスプレス(左)と、マニラではもう出会えない?「ビア・ナ・ビア」。サバンビーチのバー、ビッグアップルにて。1本115ペソ。

 

 やはり世界中の人々を魅了する理由があるのだと今さらながら思い知りました。今度は旅行客でにぎわうシーズンはどんな感じなのか見てみたい、できればもっと長く滞在したいと思わずにはいられないプエルトガレラなのでした。(T)

 

 

昔も今も人々を魅了する

美しいプエルトガレラの歴史

 

 ミンドロ島の先住民マンヤンの人々は、10世紀ごろから中国と盛んに交易していたとされ、プエルトガレラの港は重要な拠点だった。マンヤンの人たちは川で採取した金を、中国の磁器と交換していた。そのほかにも海外から多くの商人がプエルトガレラにやってきたと考えられている。

 スペイン人がプエストガレラに上陸したのは1570年。島をミナ・デ・オロ(Mina de Oro、金鉱山の意味。現在のミンドロ島の名前の由来)と呼び、メキシコとの貿易のための大型帆船ガレオン船の港がある地をプエルトガレラと名付けた。嵐のときに船を避難させるのに適した港があり、山は海賊を監視する塔を置くのに役立った。そして、重要な港の存在と美しい自然があることからプエルトガレラをミンドロ島の首都とした。

 時を経て、プエルトガレラは米国の統治下に置かれ、戦時中は日本軍によって占領された。そして戦後、日本占領時代にミンドロのゲリラ兵士だったエスタニスラオ・ブルカルが最初の市長となった。

 マルコス(シニア)政権時代には、環境を保護する大統領令の発令とともに、マニラの支配階級向けのリゾート建設計画が進められることに。しかし、大統領失脚によって頓挫し、美しい湾は残ることになった。

 2004年、プエルトガレラはユネスコの国際NGO団体によって世界で最も美しい港湾の一つに選ばれている。

 

ムリエ港にはレプリカのガレオン船がある。

 

 

プエルトガレラへの行き方

マニラ▶▶プエルトガレラ

★ブエンディア・バスターミナル→バタンガス・ピア(Batangas Pier)
バス(JAM Liner):268ペソ 所要時間:約2時間30分

 

バタンガス・ピアのバスターミナルで降りるとトライシクルの客引きが群がってくるが、フェリー乗り場までは歩いて7~8分で行ける。また、フェリー乗り場に続く道には店が立ち並び、そこでは悪質なぼったくりも横行しているので注意。

 

★バタンガス・フェリーターミナル使用料: 30ペソ

バタンガス・ピアのフェリー各社チケット売り場

バタンガス・ピアにはコンビニや飲食店も多い。そして乗船ゲート前はとにかく広い。

 

★バタンガス・ピア→プエルトガレラ・バラテロ・ポート(Balatero Port)
フェリー(Island Water): 620ペソ 所要時間:約1時間40分

プエルトガレラ・バラテロ・ポートからはトライシクルで目的地へ。

 

プエルトガレラ▶▶マニラ

★プエルトガレラ・バラテロ・ポート→バタンガス・ピア
フェリー(Montenegro Lines): 612ペソ
所要時間:約1時間30分

★プエルトガレラ・フェリーターミナル使用料: 10ペソ

 

★バタンガス・グランドバスターミナル→ブエンディア・バスターミナル
バス(DLTB): 249ペソ 所要時間:約2時間20分

※季節や時間帯によってはバタンガス・ピア近くからもマニラ行きのバスが出るようだが、この日はジープでバタンガス・グランドバスターミナルへ行き、マニラへ向かうバスに乗った。