ついこの前、正月を祝ったと思ったら、また正月がやってきます。1月29日は旧正月(中国正月)、フィリピンでは休日となっています。同じ月に正月が2回あるのは、ちょっと奇妙に思えるかもしれませんが、この旧正月こそ「2025年はこれから!」と気合を入れるのに絶好の機会。気分を一新するとともに、運気アップもめざしましょう。
食べて開運!ラッキーフード
日本で勝負に勝つためにトンカツ、正月にはおせち料理といった縁起を担ぐ食べ物があるように、フィリピンでも旧正月に幸運を願う食べ物があります。どれも手に入れやすいので、この機会に食べて幸運を呼び寄せましょう!
ティコイ
旧正月が近づくと、マニラ市の中華街ビノンドをはじめフィリピン各地のスーパーマーケットに並ぶのが、このティコイと呼ばれる餅菓子。19世紀に中国・福建省からの移民によって持ち込まれたとされ、ティコイという名前は「こねてつくる甘い菓子」を意味する福建語に由来します。粘りがあってくっつく餅の性質から幸福が付く、家族や人との絆が強くなるようにという願いを込めて、大切な人に贈る習慣があります。
ティコイには、一般的な白いものから、ウベの紫、パンダンリーフの緑、ブラウンシュガーの茶色などカラフルなものもそろっています。食べ方は、5ミリくらいの厚さに切ったティコイをかき交ぜた卵にくぐらせ、油やバターで両面が香ばしそうな茶色になるまで揚げ、温かいうちに食べます。大きなティコイをもらったら、いろいろなレシピに挑戦してみてください。
フルーツ
今年の旧正月元日の前日、1月28日にはダイニングテーブルに下記の5種類のフルーツをそれぞれ偶数の個数を置き、旧正月に食べると良いとされています。
ポメロ:中国語で「柚 yòu」と呼ばれるポメロは「有 yǒu」と発音が似ていることから縁起がいいとされる。悪いムードを一掃し、家族に富と健康をもたらす。
みかん:中国語でオレンジやみかんを表す「橙 chéng」は成功を意味する「成chénɡ」と同じ発音で、さらにこれらのフルーツは「桔」と書き、幸運を表す「吉」が含まれている。みかんはフィリピンではキャット・キャット(Kiat-Kiat)と呼ばれる。
パイナップル:福建語でパイナップルを 「ong lai」と呼び、これが「福来る」というフレーズとなることから、幸運を呼び寄せる。
りんご:中国語でりんごを意味する「píngguǒ」の発音が、「平 píng」と似ていることから 平穏と調和をもたらす。
ドラゴンフルーツ:中国語で「火龍果 huǒlóng guǒ」。竜の名を持つことや赤い色から縁起がよく、勝利と成功へと導く。
これらのほかにも、柿(幸運)、桃(長寿)、ライチ(恋愛運)、グレープ(富裕)、すいか(繁栄、金銭運)、ココナツ(長寿)、メロン(財産)、マンゴ(結束)など縁起を担ぐさまざまなフルーツがあります。
魚
中国語で魚は「Yú」と言い、 「余」と響きが同じことから、余裕、豊かさを表すとされます。フィリピンの華人家庭では主にヒト(ナマズ)を丸ごと蒸したり、煮込んだりした魚の料理が食べられます。
ギョーザ
ギョーザの半月の形は昔中国で貨幣として使われていた金銀の塊である元宝の形をイメージしています。このことからギョーザは繁栄を表す縁起が良い食べ物。また中に詰める豚肉とニラは莫大な財産、キャベツは財を成すための幾多の方法を意味します。
麺
長寿と健康を願って食べる麺料理。なめらかな食感は、物事が円滑に進むようにとの願いも込められています。そして、麺料理をつくるときも食べるときも短く切らない方が吉。パンシット・カントン、パンシット・ビーフン、フィリピンスタイルのスパゲティでもOK。
ルンピア
中国をルーツに持つフィリピンの揚げ春巻きであり、フィリピン人が最も好きな食べ物とも言われるルンピア。富のシンボルであると同時に新しい始まりを意味するとされます。
旧正月トリビア
なぜ「福」が逆さま?
中華料理店などに飾ってある逆さまの「福」という文字は、「倒福(dào fú)」と呼ばれる。倒れるという意味の「倒」と、やって来るという意味の「到」が同音の dào であることから、「福がやって来る」という願いを込められている。
それをしてはいけない!? 旧正月の迷信
さまざまな迷信があるフィリピン。旧正月には中華文化の影響を受けた迷信があります。「薬を服用する」「鋭利なものを使う」「時計やハサミを贈る」ことは、縁起が悪いとされています。また、破れたりよれよれになったりした服、黒や白の服を着ることも悪い運を呼び寄せてしまうといわれます。旧正月には幸運、金運、ポジティブなエネルギーを象徴する赤い色や、はっきり円形のパターンがわかる水玉模様の服を着るのがおすすめです。
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Illustration: Clarisse Joyce Alger