フィリピンのトイレ事情

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2014年12月7日

 トイレ事情…便座カバーがない便器??

 フィリピンではトイレのことを「シーアール C.R.(Comfort Room)」 と呼んでいる。セブでは「カシーリャス」という古いスペイン語の言い方も残っている。
 フィリピンのトイレは基本的に洋式トイレである。日本の家庭にある「ウォシュレット」などの洗浄式便座はまだまだ普及していない。ホテルなどは水洗式で水の勢いもよく、トイレットペーパーもあるのでさほど不便は感じない。しかし一歩外へ出て一般のレストランやスーパー、学校のトイレなど入ると、日本のトイレとその様子があまりに異なっていて戸惑う日本人がほとんどである。

 その理由は、
・便器だけあって便座カバーがない。 
・備え付けのトイレットペーパーがない。
・水を溜めるトイレタンクがない。なので水洗式でない。
・便器の近くに水をためたバケツとひしゃくがある。

 フィリピン的トイレの使用法

・便器だけで便座カバーがないときは、

 便座にそのまま座ってお尻をつけるのは汚いので、「空気イスのスタイルで立ったまま腰とお尻を浮かせながら」か、「便器の縁に足を乗せ、しゃがんで和式のような使い方をする(前向き後ろ向きあり)」。便座に靴跡があったり、「便器の上に座ることは禁止」の張り紙もあったりなので、後者の方法が結構多いようである。ただし便器が壊れたり足を滑らしたりすることがあるので注意を。

・備え付けのトイレットペーパーがないときは、
横にある水が入ったバケツからひしゃくで水を汲んで手でお尻を洗い流す。フィリピンのトイレには時々、手動式ウォッシュレットともいえるような、ホースの先からシャワーのように水が噴き出す便利なお尻洗浄装置を見かける。片手でホースを持って水を当てながら、もう片方の手でお尻を洗う。洗った後の濡れたおしりは、「暑い国なのですぐ乾く」。

・水を溜めるトイレタンクがないときは、
これも上の要領でバケツの水をひしゃくで汲んで汚物を洗い流す。トイレタンクの汚物を排出口に洗い流すときの要領は、ひしゃくの水を垂直に、勢いよく穴をめがけて落とすこと。

 こうした使用法にどうしても耐えられない場合は、トレペ代わりのポケットティッシュやお尻を拭くためのウェットティッシュを常に用意しておくこと。トイレットペーパーをロールのままもっているフィリピン人女性をたくさん見かける。なおフィリピンではトレペのことも「ティッシュ」と呼んでいる。トイレの排水管が詰まるから、という理由で「使用したトイレットペーパーは流さずに横のゴミ箱に入れるように」との張り紙がしてあることもある。
街中でトイレに行きたくなったら泊り客の振りをしてホテルに駆け込むというのもいい。ちゃんとした身なりの外国人だったら入れてくれることが多い。

編集: 「ナビ・マニラ」 Navi Manila

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