フィリピンのドキュメンタリー映画祭「ダアンドキュ」(DAANDOKYU/編集部訳:フィリピンドキュメンタリー映画100年)が、ドキュメンタリー映画を前回(2020年10月2日〜8日)に続き、10月9日から無料配信します。今回公開されるのはフィリピンという国家と国民に焦点を当てた11作品。フィリピンをよりよく知るために、ぜひご覧ください。

 

視聴はこちらから→ Daan Dokyu ウェブサイト https://www.daangdokyu.com/watchnow/

 

〈2020年10月9日〜15日の配信作品〉 

 

Aswang(2019年)

 

 ロドリゴ・ドゥテルテ氏は大統領選挙に勝利すると、公約に掲げていた麻薬撲滅を実行。麻薬売人、使用者など疑わしい者が次々と殺害された。超法規的殺人まで行われる混迷の中で生きる人々の姿を追ったドキュメンタリー。

 

Yanan (2013年)

 武装革命家カ・ヤナンは政府との戦闘で死んだ。残された3人の子どもは悲しみに耐えて成長し、時を経て、母ヤナンを振り返る。新たに見つかったヤナンの手紙にはカナンの苦悩が綴られていた。

 

May Istorya nga Tayo, Patay Naman Tayo (2001年)

 

 2001年バシラン州ラミタン市での国軍とイスラム過激派アブサヤフとの銃撃戦を取材したフォトジャーナリストによる決死の記録。

 

Sa Mga Mata ng Balita: The Birth of Philippine TV,
The News and Many Firsts,
Unos at Puntos sa Bagong Milenyo (2003年)

 

 テレビの草創期から1950年代のABS-CBN設立を経て、50年を迎えたフィリピンのテレビ放送の歴史。

 

Tupada ’92: The Philippines in the Year of the Elections (1995年)

 熱を帯びる選挙運動が繰り広げられる一方で、未来に希望を持てずにいる国民。1992年の国政選挙が映し出すフィリピン社会の姿。

 

 

A Rustling of Leaves: Inside the Philippine Revolution (1988年)

 マルコス政権崩壊後に大統領となったコラソン・アキノは、国軍の権力が国家運営に及ばないように苦慮していた。一方、革新派左翼にも難問が突き付けられていた。ゲリラ闘争を続けるべきか。それとも、合法的に政治に関わるべきか。

 

Mendiola Massacre (1987年)

 19871月22日、マニラ市メンディオラ橋で起きた農業改革を求める農民と警護隊との間で起きた衝突は、13人の農民が死亡し、数百人の民間人が負傷した。「メンディオラの惨劇」の記録。  

 

Marcos: A Malignant Spirit (1986年)

 マルコス大統領を欲にまみれ、国の経済を疲弊させた「略奪者」と呼び糾弾したドキュメンタリー。貴重な映像、音声記録が含まれる。

 

Maid in Singapore (2004年)

 シンガポールでメイドとして働く3人のフィリピン人が語るささやかな喜びと、深い悲しみ。1995年に殺人罪によりシンガポールで死刑となったフィリピン人メイド、フロール・コンテムプラシオンの悲痛な運命は、年月を経てなお彼女たちの中に影を落とす。

 

Queer Transnational Love in the Time of Social Media
and Globalization (2017年)

  同性愛者であることで、できることはなにか。できないことはなにか。SNSとグローバリゼーションの時代の中で、制作者が自身の恋愛体験も振り返りながら考察する。

 

 

Delano Manongs:
Forgotten Heroes of The United Farm Workers Movement (2014年)

 1965年米国カリフォルニア州デラノのブドウ農園で、メキシコ系アメリカ人、1,500人のフィリピン人労働者らによるストライキが行われた。この時、フィリピン人労働者を組織したのがパンガシナン州から移住したラリー・イトリオン(写真)。後に農園労働者連合の結成に影響を与えた人物でありながらも、多くのことは知られていないフィリピン系米国人の記録。