リサール公園の後方、タフト通り沿いにに建設中の49階建ての高層コンドミニアム「トーレ・デ・マニラ(マニラの塔)」が、公園の景観を損なうとして友愛団体「リサール騎士団」が最高裁に建設の中止と解体を求めた問題で、最高裁はこのほど、土地開発企業であるDMCI社に建設の一時差し止めを命じた。
下院首都圏開発委員会のウィンソン・カステロ議員(ケソン市選出)は22日の記者会見で、コンドミニアムを「醜い巨人」とした上で、「もしも最高裁から建設中止の命令が下った場合、DMCI社は直ちに建物を解体しユニットの購入者すべてに返金しリサール公園の景観保護に尽力すべき」と述べた。また、「命令に従わない場合にはDMCI社は政府のブラックリストに載り、公共事業を一切受注できなくなるであろう」と警告した。同社はスカイウェイや空港から市内に伸び高速道路の建設などにも関わっている。建築許可を出した市当局の責任は、前リム市長とエストラダ市長がお互いに「責任のなすり付け」の状態でいまも事実関係ははっきりしていない。フィリピンではビルの解体は、人間が大きなハンマーでコンクリートを破砕しながら上から1階ずつ壊す方式をとっている。
DMCI社は1954年に現在の社長であるデービッド・コンスイヒ氏が始めた工務店。現在、アヤラランド社やSM開発などに次ぐ大手のディベロッパーにまで成長した。

(「ナビ・マニラ」ニュース」Navi Manila News June 29, 2015)