みなさん、こんにちは。Kumusta kayo? フィリピンの主食は日本と同じく米です。今回は米について見ていきましょう

 

稲、米、ご飯

 植物としての稲や脱穀前の米はpalayと呼び、精米した米はbigasと呼びます。炊いた「ご飯」はkanin、残飯はbahawと言います。
 フィリピンでは朝、ご飯をニンニクと炒めたガーリックライスを食べることがよくありますが、この炒めたご飯をsinangagと言います。本来、米やピーナッツなどを油で炒めたりコーヒーを焙煎したりすることをsangagと言い、その調理をしたものをsinangagと呼びます。つまり米だけがsinangagになるとは限らないのですが、sinangagと言えば一般に炒めたご飯を指すと思って間違いありません。中華料理のチャーハンはレストランではfried riceと英語で呼ばれますが、自宅で作るとsinangagと呼ばれることもあります。同様に「炊く」調理法のことはsaingと言い、その調理をおこなったもの、つまり「炊いたもの」をsinaingと言うのですが、こちらも通常「ご飯」を指します。

ご飯が大好き

 フィリピンの人たちに聞くと、朝食はパンデサルなどのパンや、もち米で作ったputoやチマキのようなsumanなどで済ませることはあるとしても、多くの人が昼食や夕食は「ご飯がないと食べた気がしない」と言います。一般に、スパゲティなどのパスタやパンシットなどの焼きそば、ハンバーガーやサンドイッチは午前10時か午後3時の間食merienda (メリエンダ)に食べるもので、食事に代わる物ではないと考えられています。フィリピンの国民的ファストフードチェーンの「ジョリビー」でも、食事としてフィリピン人が食べるのは大概フライドチキン「チキンジョイ」とご飯のセットで、ハンバーガーやスパゲティは間食という扱いです。フィリピンに進出している日本のうどんのチェーン店でも、フィリピンの人たちは、それぞれ丼物などご飯ものを注文し、グループでうどんを分け合ったりしているのを見ます。ご飯と並んで麺類も大好きなフィリピン人ですが、たとえ麺を食べてもご飯は欠かせないようです。

 

ご飯の量がおかずより多いのがフィリピン流

 

米の種類

 日本の米はふっくらモチモチとした短粒米のジャポニカ種、フィリピンは粒の長いインディカ種というのが定番でしたが、最近はフィリピンでもジャスミン米とジャポニカを掛け合わせたジャスポニカや、ミラグロサ米とジャポニカを掛け合わせたミポニカなど、比較的日本米に近い食感の米も出回ってきています。日本人にはうれしい限りですが、フィリピン人の義妹はパラパラした固めの米の方が好みだそう。やはり慣れ親しんだ食感が一番なのかもしれません。

米の炊き方

 現代の日本では炊飯器を使って、水は炊飯器に表示されている線に合わせて入れる人が多いと思います。実は日本には伝統的に手で水の量をはかる方法があります。1つは研いだ米の上に手のひらを乗せて、手首の関節くらいまで水を入れる方法、もう1つは洗った米の表面を3本の指で触れて、中指または人差し指の第一関節あたりまで水を入れるという方法です。フィリピンでは一般的に後者の方法が使われています。海で隔てられたフィリピンと日本でなぜか同じ方法が使われているというのは面白いですね。
 また日本ではご飯が炊けても蒸らしが終わるまで蓋(ふた)を開けないのが基本ですが、フィリピンの場合、鍋で炊いて水を入れすぎたら火にかけたまま蓋を開けて水を飛ばす人が多いです。ちなみにフィリピンで一般的な安価な炊飯器で米を炊いた場合、一定の温度に達すると保温に切り替わるところまでは良いのですが、そのまま保温にしておくと、底にご飯がこびりついてカチカチに固まってしまうことがあります。保温に切り替わったら、電源を抜いて10分ほど蒸らせばご飯がこびりつきません。フィリピンの炊飯器でお困りの方はお試しくださいね

 

 

 

文:デセンブラーナ悦子 日英・タガログ語通訳。大阪外大(現大阪大外国語学部)フィリピン語科卒。最近の楽しみは出張をより快適にするアイテムを集めること。

Twitter:フィリピン語ミニ講座@FilipinoTrivia