皆さんは、クリスマスにフライドチキン食べました? 日本人がクリスマスに某世界的チェーンのフランドチキンを食べる習慣が世界で不思議に思われていてもノープロブレム! もちろんクリスマスが終わってもフライドチキン愛は続きます。そこでマカティでいろいろな国のフライドチキンを探してみました。ところが変わればフライドチキンも変わります。皆さんもフライドチキンを食べながら旅行気分も味わっていみてはいかがでしょう。

 

 

チキンジョイ Chickenjoy

 

(Jollibee)

 

ファストフードチェーンにレストラン、コンビニ、フィリピンではどこにでもフライドチキンはあれど、国民的フライドチキンとなるとやはりジョリビーのチキンジョイである。同社のウェブサイトによると、フライドチキンこそジョリビーの看板メニュー。外皮をクリスピーに仕上げるために衣をつけるのは手作業、中はジューシーにするために門外不出の方法でマリネしているんだとか。さらに、「放し飼いで育てたニワトリを使っていますか」との質問には、「放し飼いで育てたニワトリは使っていません。しかし、すべてのニワトリは米国農務省が認可した質の高い施設で育てたニワトリを使っています」と回答している。

 

 

 

 

ケンタッキー・フライドチキン

Kentucky Fried Chicken

 

(KFC)

昔、筆者の田舎ではケンタッキー・フライドチキンとフルネームで呼んでいた。看板にもカタカナでそう書いてあった。上京してから「ケンタ」と省略されて呼ばれると知った。そして、米国でもオーストラリアでもフィリピンでも呼び方はKFC。日本でも今はKFCと呼んでいるのだろうか? いつかコリアン・フライドチキンもKFCと呼ばれたりはしないだろうか?

 

 

ジーパイ Ji Pai

 

(小台北 Xiao Taipei, Legazpi Village)

 

台湾のフライドチキンはまず、その大きさに驚かされる。叩いて延ばした鶏肉は30センチを超えるものも珍しくない。ジューシーでやわらかく、スパイスが効いたフライドチキン。皿からもはみ出そうな大きさのフライドチキンなので、ナイフとフォークを使って食べたいところだが、本来ストリートフードゆえ、紙袋に入って出てくるのをそのままかぶりつくのが基本だ。

 

 

チキン65   Chicken 65

 

(Queens at Bollywood, Greenbelt)

 

インド南部チェンナイのホテル・ブハリ(Hotel Buhari)発祥とされるフライドチキン。スパイスとヨーグルトに漬け込んだ骨なしチキンに薄い米粉を付けて揚げ、ソテーした玉ねぎなどといっしょに提供される。「65」という数字の由来は、65種類のスパイスを使う、チキンを65のかたまりに切り分ける、65日間マリネする、メニューの65番目に記載されるからなど諸説あるが、一般に認知されているのは、ホテル・ブハリでつくられたのが1965年だったからという説。ほかにチキン72、82、90というのもあるらしいが、65ほどの認知度はないようだ。

 

 

 

アヤムゴレン  Ayam Goreng

 

(Rasa Baru Indonesian Restaurant, Mile Long Building)

 

インドネシアやマレーシアのフライドチキン、アヤムゴレン。名前もそのままインドネシア語とマレー語でフライド・チキン。アヤムはチキンでゴレンはフライ。揚げる前にチキンをマリネし、さらにレモングラスなどのスパイスが効いたスープで煮ることで味を肉にしみこませる。カラッと揚がったアヤムゴレンは、まずパリパリの皮から楽しもう!

 

 

チャイニーズスタイル・フライドチキン

Chinese Style Fried Chicken

 

(超群Chowking)

 

チャイニ-ズスタイル・フライドチキンと掲げているチョウキン。ジョリビーグループではあるが、チキンジョイとはしっかり差別化を図っている模様。5種類のスパイスやオイスターソースなどでマリネしたチキンを軽くクリスピーな衣で包み、フィリピン人好みの甘口に仕上げてある。

 

 

ヤンニョムチキン

Yangnyeom Chicken

 

(Bonchon)

 

クリスピーな食感と、ソースに覆われてしっとりと優しくなめらかな表面が融合した韓国のフライドチキン。まずチキンのジューシーな肉汁を閉じ込めるために揚げ、さらにクリスピーな歯ごたえを出すために再度揚げる「ダブルフライ」。そして、甘辛いソース「ヤンニョム」。これらが韓国フライドチキンのおいしさの要素となっている。コリアン・フライドチキンとビールでチメク(Chimaek)しよう!

 

 

ガイトード  Gai Tod

 

(Khao Khai Thai Restaurant, One Ayala)

 

タイ語でガイ=チキン、トード=揚げる、すなわちフライドチキン。タイでは屋台などで売られている人気のストリートフード。下味がしっかりついているので、そのままでも食べることができるが、甘辛チリソースをかけて食べると味わいが増す。

 

まにら新聞記者エリックEric the Chicken Eater 「週4~5日はフライドチキンを食べます。今回食べた中で、タイのガイトードは、これまで食べたことがない、新鮮な味でした」

 

 

サザン・フライドチキン

Southern Fried Chicken

 

(Popeyes)

 

スパイスが効いたカリカリの衣にかぶりつくと、バターミルクに漬け込んだやわらかいチキンの肉汁がジュワッと口の中にほとばしる。合衆国憲法が書かれるよりも前に、レシピが書かれていたという米国南部スタイルのフライドチキン。その歴史をさかのぼると、米国の奴隷制とアフリカ系アメリカ人の歴史にも密接に関わっているという。

 

 

からあげ  Karaage

(江戸屋, Little Tokyo)

 

日本発のフライドチキン「からあげ」が、寿司、ラーメン、天ぷらなどに続いて日本語の呼び方そのままで世界的に認知されつつある。漢字で「唐揚げ」と表記されることも多いが、中国の「唐」とは関係ない食べ物ということで、メディアでは「空揚げ」か「から揚げ」を使うことになっている。から揚げについて書いているだけで、ビールがほしくなってきた。

 

 

バッファローウイング

Buffalo Wings

 

(Buffalo’s Wings N’ Things, Glorietta)

手羽先フライを甘辛でやや酸味がある濃厚ソースに絡めて食べる米国発祥のフライドチキン。マニラでもスポーツバーの定番メニューとなっている。チキンなのにどうして牛のバッファローの名前が?と思っていたら、バッファローウイングのバッファローは米国ニューヨーク州の都市バッファローのことで、この料理の発祥の地を意味しているんだそう。

 

 

(初出まにら新聞2023年12月23日号)