日本食材店が多いマカティ市のリトル東京、マカティ・セントラル・スクエア界隈で、私にとっては未知の日本食材店を見つけた。ひょっとしたら、在留邦人の中ではすでに知られた店なのかもしれない。しかし、すっかり出不精になった私にとっては、コロナで様変わりした街の中でいつの間にこんな店が! と好奇心にかられた次第である。
場所は、マカティ・セントラル・スクエアのKFCがある側、アモルソロ通りの高架を横切り、コロナ禍の前にはセブンイレブンがあったところ(今は貸店舗)の向かって左隣り。店名は紙にJAYCと書いてある。ジェイエイワイシーと呼ぶのだろうか。入口の外観は黒いスモークガラスが貼ってあって、私はちょっと入るのを躊躇(ちゅうちょ)した。入ると、ローカルのスタッフの方に日本語であいさつされた。店の人によると、この店はコロナ禍の影響でこれまで開店と閉店を繰り返してきたそうだ。
中はオフィスになっていて、入口付近が食材売り場になっている。フロア全体の比率はオフィスが7~8割を占め、売り場は2~3割程度。陳列棚は4つほどで、ほかの日本食材店のような売り場の雰囲気とは異なる。売られているのは、日本のインスタントラーメン、カレールウ、味付けのり、かつお節、ハッピーターン、柿の種、調味料、サプリメントといったところ。
だが、この店の一番の推しはギョウザらしく、入口にも大きくスペシャル・ギョウザと書かれたポスターが貼ってある。キャラクターのイラストはホタテ貝かと思ったら、ギョウザであった。店のフェイスブックもJAYC Japanese Special Gyoza となっている。
ということで、冷凍ギョウザを買って帰ったのだが、本当の目的は納豆だった。よく納豆を買っていた日本食材店では最近いつ行っても品切れなので、ひょっとしたらと期待してこの店に入ったのだが、なさそうだった。次回は店の人に聞いてみようと思う。そして、もし納豆を扱っていないなら、ぜひ扱ってほしいと頼んでみたい。ギョウザもいいが、私を含め、日本人が海外で無性に食べたくなるのは納豆なのだと伝えたいと思う。(S)