自家用車がない場合、公共交通機関を使う機会もあると思います。マニラでの移動に使える主な公共交通機関について紹介します。
タクシー
主に白い車体のトヨタ・ヴィオス(Vios)のタクシーを街中で見つけることができます。初乗りは45ペソ。「4 Hire」の表示が出ているタクシーを捕まえて乗車できますが、マニラにはメーターを使わず、割高な料金を請求してくる運転手が少なからずいます。メーターを使おうとしないタクシーは、乗らないことをおすすめします。ショッピングモールなどのタクシー乗り場から乗ると、そのような運転手はあまりいない傾向があります。
ほとんどの運転手はおつりを持っていない(渡す気がない?)ので、タクシーを乗る前に少額の紙幣と小銭を用意しておきましょう。
また、事件に巻き込まれないためにも夜遅くに1人でタクシーを利用するのは避けた方が無難です。
グラブ
マニラでは、スマートフォンで配車アプリ「グラブ(Grab)」を使い、一般の乗用車やタクシーを手配するのも普及しています。前もって料金を知ることができ、運転手の氏名や車両ナンバーの記録も入手できるので、流しのタクシーよりも安心して利用できます。
バイクタクシー
この数年で急速に増えたのが、バイクタクシーです。アプリで手配でき、車のタクシーよりも安く、渋滞する車の間をすり抜けるように進んで目的地まで行けると好評。ヘルメットは運転手から借りることができます。現在マニラではアンカス(Ankas)、ジョイライド(JoyRide)、ムーブイット(Move It)の3社が営業しています。
MRT
マニラの鉄道にはエドサ通りに沿って走るMRT3号線 (Manila Metro Rail Transit System、MRT3)があり、首都圏パサイ市のタフト・アベニュー駅とケソン市のノース・アベニュー駅間を結びます。マカティ市のアヤラ駅やマンダルーヨン市のショウ・ブルバード駅、オルティガス駅など13駅があります。
LRT
MRTのほか、マニラにはLRT(Manila Light Rail Transit System)と呼ばれる鉄道があります。LRT1号線はバクララン駅(首都圏パラニャーケ市)からフェルナンド・ポー・ジュニア駅(旧駅名ルースベルト、首都圏ケソン市)までを20駅で結びます。中華街ビノンドの最寄り駅カリエドやイントラムロスに近いセントラルターミナル駅もLRT1号線の沿線にあります。2024年中にカビテ州のニオグ駅までの延伸工事が完了予定。
LRT2号線は、レクト駅(マニラ市)とアンティポロ駅(リサール州)間を13駅で結びます。コンサートなどが頻繁に開催されるアラネタ・コロシアムがありMRTも通るクバオ駅も含まれます。
PNR
フィリピン国営鉄道(Philippine National Railways/PNR) は、トゥトゥバン(マニラ市)~アラバン(モンテンルパ市)~カランバ(ラグナ州)を結びます。MRTやLRTに比べて本数が少なく、利用することはないかもしれません。また運営年月の長さから駅や車両も古く、スリの被害が多いとも言われています。
なお、2024年3月28日からPNRのマニラ首都圏内カバナー・パスクアル(マラボン市)~トゥトゥバン(マニラ市トンド)区間、およびトゥトゥバン~アラバン(モンテンルパ市)区間 は南北通勤鉄道(North-South Commuter Railway /NSCR)の建設のため5年間運行休止となっています。
バス
行き先によっては、タクシーよりもずっと安く行けるのがバスのいいところ。首都圏マカティ市のMRTアヤラ駅直結のワンアヤラ・バスターミナルからモール・オブ・アジア(MOA)まで片道15ぺソ、またアヤラ駅近くのBGCバスターミナルから、タギッグ市BGCマーケット・マーケットまでは片道12ペソ。マカティ市のショッピングモール、グリーンベルトそばからアラバン・タウンセンターまでのバスもあり、こちらは片道110ペソ。
ジープニー
乗り物というだけでなく、フィリピンのシンボル的な存在であるジープニー。車体に手書きで行き先が書いてあり、ルート内であれば基本的にどこでも乗降可能。料金は初乗り13ペソからと安く、慣れて乗りこなせれば便利に移動できます。車内ではスリや置き引きに注意し、夜遅くに利用するのは控えましょう。
トライシクル
オートバイに屋根のあるサイドカーを付けた3輪の乗り物。大柄な人はちょっときついかも。料金は約40ペソから。目的地までの距離によって加算されます。マニラ首都圏ではローカル色の強い地域にトライシクルが多く、地方ではタクシーやジープニーがなく、主な移動手段はトライシクルという場合があります。
持っておくと便利
ビープカード
MRT、LRT、バスを利用時にその都度1回の乗車に有効な券を買うこともできますが、頻繁に利用する場合はプリペイド&チャージ式の「ビープカード」(Beep Card)があると便利です。通勤・帰宅ラッシュには駅の窓口に乗車券を買う人で長い行列ができる場合があります。ビープカードがあれば、そのまま改札へ向かうこともできてスムーズ。MRTやLRT駅の窓口で購入できます。