フィリピン語出題で誤審
米国の単語力コンテスト
米国で行われた児童・生徒が単語力を競う大会「スペリングビー(Spelling Bee)」で、フィリピン語で熱帯低気圧や台風を意味する単語が出題された。8年生の回答者が、B-A-G-U-I-Oと答えると、判定は正解。だが、テレビで見ていた米国人の英語教師が間違いを指摘し、フェイスブックに投稿した。
「BAGUIOはフィリピンのルソン地方の都市の名前であり、熱帯低気圧や台風を意味する単語の綴りは正しくはBAGYOです。フィリピン育ちの私の娘が間違いに気付きました」
回答した8年生は17巡目に敗退し、4位に終わった。スペリングビーコンテストは1925年から年1回開催されており、英語だけでなく、ほかの言語に由来する単語も出題される。(6月1日・マニラタイムズ)
フィリピンの新紙幣
最優秀新紙幣賞を受賞
ポリマー製のフィリピン新紙幣が、国際通貨協会による「最優秀新紙幣」を受賞した。同協会は、安全性を高めた機能、総合的なデザイン、フィリピン固有の動植物の図柄を取り入れ、豊かな自然と文化を伝えると評価している。(6月4日・マニラスタンダード)
ボラカイブリッジ建設
先住民らが反対表明
ボラカイ島とパナイ島を結ぶ橋の建設計画に対し、先住民アティの人々が抗議している。アティの人々はボラカイ島は先祖代々暮らしてきた神聖な土地であり、ボートの船頭などで生計を立てる人たちの生活が脅かされると主張。総工費79億5000万ペソとされるボラカイブリッジが完成した場合、カティクランとボラカイ間を運航するボートの船頭500人が影響を受けるという。(6月5日・インクワイアラー)
冠水した道を歩いたら
レプトスピラ症に注意
雨季になると冠水の発生が増え、レプトスピラ症も増える傾向がある。保健省によると、冠水したところを水に浸かって歩いたり、泳いだりしないように呼びかけているものの、2024年1月から10月にかけてマニラ首都圏だけで2700人以上がレプトスピラ症に罹患(りかん)した。
レプトスピラ症は、ネズミや犬の排せつ物に含まれるレプトスピラ菌によって汚染された水が傷口や鼻、口、目などから侵入することで感染する。早期に抗生物質を投与することで重症化を防ぐことができるが、適切な処置をしないでおくと腎臓などに合併症を引き起こす恐れがある。
マカティメディカルの医師は、通勤や帰宅時に冠水したところを歩くときは長靴を履くこと、やむを得ず冠水した水に浸かったときは足、手、顔を石けんと清潔な水で洗い、傷口は消毒剤で殺菌するように勧める。また汚染された水に浸かった服や靴は、洗剤を使って洗い、日光で乾かして殺菌する必要があると述べている。(6月10日・フィリピンスター)
太古のフィリピン人
航海と釣りの技術を持っていた
アテネオ・デ・マニラ大学の研究者らの15年におよぶ考古学調査により、太古のフィリピン諸島の人々はさまざまな技術を駆使して生活をしていたことが明らかになった。
西ミンドロ州イリン島で発見された遺物には、人骨、動物の骨などとともに石や骨、貝殻で作った道具が含まれており、航海の技術を持ち、カツオやサメを釣っていたことがわかる。7000~9000年前にオオシャコ貝の殻でつくった手斧は、東南アジア域内の島および3000キロメートル離れたパプアニューギニアのマナス島で見つかったものと酷似していることから、周辺海域の島と往来があったと推測される。
さらに、イリン島で見つかった約5000年前の墓からは、石灰岩の板の上で胎児のように丸くなった格好で横たえられた人骨が見つかっている。この埋葬法は、屈葬(くっそう)に似ており、思想的にも周辺の地域から影響を受けていたことがうかがえる。 (6月11日・マニラスタンダード)
世界20位で高水準
ジェンダーギャップ指数
世界経済フォーラムによる男女格差の実態を評価した「2025年世界ジェンダーギャップレポート」において、フィリピンは148カ国中20位となり、前年の25位より5ランク上昇した。フィリピンは東アジア・太平洋地域ではニュージーランド(5位)、オーストラリア(13位)に次いで3位、東南アジアでは1位となった。
日本は118位、韓国は101位、中国は103位だった。(6月13日・マラヤ)
TikTokドリーム実現
家族の未来を明るくしたモノ
ビコール地方南カマリネス州ナガ市のエルドリックさんは、2012年に父親が亡くなってから家族を養うために小学校を5年でやめ、さとうきび畑で働かなくてはならなかった。その後、ブラカン州やバタンガス州で建設現場や養豚場で働き、運搬作業などに従事していた。重労働をしながらも、ティックトッカーになる夢を持ち、かばんや靴などを宣伝して報酬を得るようになった。
あるとき、エルドリックさんが扱った商品の中に、黒ずんだわきを白くするデオドラントがあった。実際に使って、効果を実感したエルドリックさんはティックトックでこのデオドラントを買うようにすすめた。すると、報酬額は数十万ペソに激増。新居とオートバイ数台を買うことができ、さらに土地まで買ってバランガイ住民用のバスケットボールコートにした。兄弟たちの教育費も払っている。
デオドラントを使ってわきの色が明るくなったエルドリックさんは、家族の未来まで明るくしたのである。(6月16日・デイリートリビューン)