記者になって取材で外出するようになってから、気付いたことがある。それは、どうやら自分が「晴れ女」であるということだ。天候のせいで取材中止を余儀なくされたり、悪天候の中で取材続行を強いられたことがない。取材先に向かう途中、雨が降ってきても、いざ目的地に到着すると雨がやんでカラッと晴れる。
以前、首都圏マニラ市キアポに取材に出向いたとき、珍しく歩いている最中に雨に見舞われた。同行していた編集者のせいかもしれない(雨男かどうかは不明)。しかしそれも少し雨宿りするうちに雨は弱まり、1時間もしないうちに晴れた。またある日は、取材中にだんだんと雲行きが怪しくなり、雨が降りそうだと心配していたのだが、取材を無事終えてタクシーに乗った直後、雨がひどく降り出した。このような経験から天候に関しては強運の持ち主というか、晴れ女であると思ってしまう。
一方、晴れ女であるがゆえに悩まされることがある。それが、天気に恵まれすぎるということ。日本の日差しと比べてフィリピンの日差しは強烈なものがある。もちろんそんな強烈な日差しの中を歩き回れば、汗をかき、体力は奪われる。当然、日焼けも気になる。取材から戻ったら早速原稿に取り掛からねばと思っていても、なんだかんだ帰社するときにはクタクタで、腑抜け状態になってしまっているのである。冷房が気持ちよく効いた会社の車の中で、爆睡してしまうことだってある。
雨女で取材先からずぶ濡れになって会社に戻るよりは、晴れ女であることの宿命だと思って、贅沢な悩みだと受け入れるしかないのだろうか。 (新)
(初出まにら新聞11月8日号)