昨年5月1日まで、まにら新聞のオフィスは、 リトル東京エリアにあるローカルショッピングセンター、 マカティ・セントラル・スクエアのオフィスビルにあった。6年前にフィリピンに来たときは、 マカティ・スクエアという名前だったが、 一般には圧倒的にマカティ・シネマ・スクエアで通じることが多かった 。タクシーにマカティ・スクエアまでと伝えても、「マカティ・シネマ・スクエアだな」と確認されることが多かった。あのあたり一帯がマカティ・シネマ・スクエアとなる以前、チノロセス通り側にはプラザフェア(Plaza Fair )というデパートがあったそうだ。
コロナ禍前に改装された時期に伴い、 マカティ・セントラル・スクエアとなって今に至るが、 どの程度まで浸透しているかはわからない。 銀行のBDOなどは今もマカティ・シネマ・スクエア支店のままだ。
自分の生活圏にあるマカティ・セントラル・スクエアだか、 会社が移転してからはほとんど行かなくなった。 先週末久しぶりに行き、中を歩きまわって見たところ、 コロナ禍を経て変わったところもあれば、 変わらないところもあった。飲食店、スーパーマーケット、スマホショップ、両替、 古着屋ウカイウカイ、銃砲店まである雑多感は変わっていない。
地下階のスーパー8があるフロアに、プラカ・プラネット(Plaka Planet)と言うレコード屋を見つけた。マカティに中古レコード店があったとは。私が最後に中古レコード店に入ったのは、はるか昔のお茶の水のディスクユニオンだったろうか? プラカは、タガログ語でレコード盤のことで、最近オープンした店と思っていたら、スタッフによればもう2年になるという。日本ではレコードの復権という話題を聞いたこともあるけれど、フィリピンでもコロナ禍でレコードで音楽鑑賞をする人が増えたそうだ。この店では、レコードプレーヤーも扱っている。「テクニクスのプレーヤーがあるよ」と言われてもピンと来なかったが、「おおお! あのテクニクスか!」と思い出した。
アース・ウインド・アンド・ファイアーの「ファンタジー」が流れる店内で、棚に入った洋楽のLP(懐!)をパタパタめくる。中には、なぜか洋楽LPの日本盤もある。東京の中古レコード店には軍手をはめてLPを探している人がいたなと思い出す。
ディラン・ディラン(ニューロマンティックですね!)やELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ!)のジャケットを見ていると、いわゆる校内暴力世代真っただ中の、田舎の中坊だった頃を思い出す。久しぶりに訪れたマカティ・セントラル・スクエアを懐かしく思っていたら、とんでもなく懐かしいものに出会ってしまった。(W)