昨日、皆さんはトライプ(Tripe)、すなわち牛の胃を食べただろうか? 例えば焼肉でハチノスとか、もつ鍋とか? え? 食べてない? 昨日10月24日はワールド・トライプ・デー(World Tripe Day)だったのに……。

 

 

こちら焼肉店でおなじみのハチノス

 

 

ワールド・トライプ・デーは、英国のトライプ・マーケティング・ボード(Tripe Marketing Board) という団体(オンライン出版社)が、人々が牛や豚の胃を食べることを推進するために2013年に制定した。なぜ10月24日かというと、英国の政治家であり作家のサミュエル・ピープスが1662年、「妻と最高においしいトライプ料理を食べた」と書いたのが10月24日だからなのだそう。

 

 

さて、このトライプ、実はフィリピン料理でおなじみの食材なのである。ご存じカレカレや、カリョス(Callos)といった料理に使われている。

 

 

 

昨日、ワールド・トライプ・デーを実行すべく、筆者はマカティ市グリーンべルト5にあるフィリピン料理レストランLorenzo’s Wayのカリョスを食べた。カリョスはスペインのマドリードが発祥とされる料理で、トライプ、ひよこ豆、チョリソーをトマトベースで煮込んだシチューである。

 

 

滋味たっぷりのカリョス。

 

 

 

いかにも臓物といった見た目のトライプはやわらかく、美肌に効果があるとされるコラーゲンや亜鉛を豊富に含む。亜鉛は、免疫力の向上や、性欲を高めるのに効果があるそう。

 

 

もっとワールド・トライプ・デーが認知されて、来年あたりはマニラのフィリピン料理レストランでトライプを使ったカレカレやカリョスを大々的に売り出し、焼肉店でもハチノスプロモーションが行われることを期待する。

 

 

 

世間はもうすっかり間近に迫ったハロウィンの気分になっている中、ワールド・トライプ・デーに注目させるのは至難の業かもしれない。まさに「トライプ(Tripe、 ばかなこと、たわごと)を言うな」と言われそうである。(T)