先週土曜日の昼頃、マカティ市のアルナイズ通り(Arnaiz Ave. 旧パサイ通り)を歩いていたところ、歩道の脇に鳥がいるのを見つけた。
白い体に赤いくちばし。スズメのアルビノ? いや、白い文鳥ではないか? この通勤路で茶色いズスメはたまに見るが、この文鳥らしき鳥を見るのは初めてである。近づいても逃げない。弱っているのだろうかと思っていたら、飛んだ。しかし、数メートル飛んだところで、また路上に降りる。飼われていたのが逃げたのか、それとも捨てられたのか。猫にでも見つかったら大変。場違いでかわいそうなマカティの野良文鳥である。
マニラに文鳥がいるのを不思議に思ってウィキペディアを見ると、なんと文鳥はインドネシア原産の鳥でフィリピンを含むいろんな国にいると書いてある。私は勝手に日本固有種だと思い込んでいた。インドネシアのジャワ島原産ゆえに、英語でJava Sparrow、ジャワ島のスズメと呼ぶらしい。また米を好んで食べることからJawa Rice Bird やJapanese Rice Bird とも呼ばれるそうだ。米が好きというのは、フィリピン人と似ている。
フィリピン人に文鳥の写真を見せたところ、「鳩? 白い鳥は珍しい」 との反応。
マカティの雑踏にひとりたたずむ可憐な文鳥(と思われる鳥)を見ていると、心が和む。そして夏目漱石の『文鳥』が読みたくなって青空文庫で読んだ。小説では文鳥は悲しい最後を迎えるが、どうかこのマカティの文鳥は無事生き延びてほしいと思う。(W)