フィリピンで寿司ベイク(Sushi Bake)またはベイクト寿司(Baked Sushi)が流行していると知ったのは、9月になってからである。私はかなり遅れていることも思い知った。
ジャーナリストの端くれとして、遅ればせながら寿司ベイクについて調べると、フィリピン人の有名ネイルアーティストのミミ・キー・レイエス(Mimi Qiu Reyes)さんが、2015年に米国カリフォルニアでホームパーティー用につくったのが始まりという説があった。ミミさんは2015年にマニラで寿司ベイク店「The Original Baked California Roll」を開業している。5年経ってコロナ禍の最中にブームが起きるとは、どんな経緯があったのだろうか。ネットには寿司ベイクの写真があふれている。タピオカと同じく、インスタ映えというのは流行の要素なのだと改めて実感。
9月25日、ヘラルドスイーツ内のはつはな亭に寿司ベイクの出前を注文した。カニカマ入りゆえに「カニ」フォルニアという名前の寿司ベイク。トレーに敷つめられたカリフォルニア巻きにチーズが載り、表面がベイクされていて、カリフォルニア巻きとドリアを足したような感じとでも言えるだろうか。手巻き寿司のように海苔に巻いて食べる。店によっては韓国海苔が付いてくるところもある。
意外にも、寿司と焼いたチーズという組み合わせは違和感なく楽しめた。手巻き寿司がここまでローカライズされるとは感慨深い。やがて寿司ベイクが日本に逆輸入されて、ブームが起きる日が来るのだろうか。(T)