いきなり旅行記
Spontaneous Travel Diaries
フィリピンの観光名所を訪れた記者が思うままに旅を綴る。
著名人の靴がズラリ
マリキナ市「靴の博物館」
If the Shoe Fits, Wear it and
Visit Marikina Shoe Museum
首都圏マリキナ市は昔から製靴産業が盛んで「フィリピンの靴の首都」と呼ばれている。フィリピンの地元ブランドの靴にはMade in Marikinaと書かれているものもある。そんなマリキナ市に、靴をテーマにした博物館があると知り、行ってみた。LRT2号線サントラン(Santolan)駅からタクシーで約10分。スペイン統治時代に兵器倉庫だったという白壁の建物が博物館だ。入口の前には、昨年9月の暴風で倒された樹齢100年のアカシアの大木がある。博物館の入場料は50ペソ。市の製靴産業の歴史が紹介され、巨大な革靴のオブジェ、フィリピンの歴代大統領や著名人の靴が展示されている。
目玉はロフト風の2階フロアを占めるイメルダ・マルコス元大統領夫人の靴コレクションだ。マルコス大統領が失脚すると、イメルダ夫人のぜいたくな暮らしが暴露され、膨大な数の靴のコレクションが世間を驚かせた。展示されているイメルダ夫人の靴は約250足。博物館の職員によると、「没収された靴の一部です。夫人は3,000足以上の靴を持っていたと言われています」とのこと。
イメルダ夫人が昭和天皇、カーター元米国大統領、キューバのカストロ議長、毛沢東など世界の要人と写った写真も展示されている。当時夫人が海外へ行く時はマリキナ産の靴を履き、フィリピン靴産業の広告塔としての役割も務めていたらしい。
夫人の靴コレクションにはネガティブなイメージがつきまとう。しかしその一方で、これほどのコレクションがあったからこそ、この靴博物館が成立したといえる。「イメルダ・マルコス靴博物館」とした方がインパクトがあるような気もする。現在下院議員のイメルダ・マルコス夫人は、今、何足の靴をお持ちなのだろう。(T)
Shoe / Footwear Museum
J.P. Rizal St., Brgy. Sta. Elena, Marikina City
開館 8am~5pm