日本の2030問題とは?
日本はあと5年で、65歳以上の人口の割合が30%を超え、少子高齢化の加速、医療人材不足、財政難、医療機関老朽化、地域格差、独居老人、がん患者や認知症増加、医療介護労働の人材不足といった社会問題が懸念されています。この現実を受け、厚労省は①働き方改革によるシニア人材確保②AIやロボットの活用③地域間の連携強化④オンライン診療⑤再生医療⑥攻めの予防医学といった方針を打ち出しています。特に2030年には約3万人の医師不足、約70万人の介護不足で、2人で1人の高齢者を支えることになります。さらに財政難で自己負担増、無医村地区約500カ所で約10万人に影響、約1600カ所の老朽化病院費用が5兆円と、暗黒医療時代が目前に迫っているのです。
1973年のすごい映画
そこで思い出すのが、私が医学生のときに見たチャールトン・ヘストン主演の映画「ソイレント・グリーン(Soylent Green)」。環境破壊と資源枯渇、人口爆発と都市の崩壊、食料危機と代替食品、少子高齢化と安楽死、人材不足とロボット介護、老朽化施設などまさに2030問題そのものの時代設定の物語です。
主人公の刑事が殺人犯を追って、政府管理のソイレント・グリーン工場の介護施設に侵入します。そこでは車椅子の老人に美しい女性看護師が、ボタンのスイッチで「あなたが1番楽しかった思い出は? 好きな食べ物は? 音楽は? 好きな人は?」と聞いて入力すると、360度パノラマの映像に囲まれる中、 海で戯れる若かりし頃の老人の思い出の映像と、好きだった曲を涙を流して聴きながら、老人は安楽死へと導かれます。はたして代替食材「ソイレント・グリーン」とは……? ぜひこの映画を見てください。原作は、米国のSF作家ハリイ・ハリスンの1966年ので小説「人間がいっぱい(原題:Make Room! Make Room!) 」です。

「人間がいっぱい」の原作者ハリイ・ハリスン(Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0 Dmitry Rozhkov )
フィリピンの2030は?
フィリピンも下記のような事態が起こり得る2030問題を抱えています。
①人口爆発と都市の過密化:人口1億3000万人となって日本を抜き、マニラ首都圏は住宅不足と交通渋滞、学校や病院は「2交代制」へ。
②高齢化の進行と医療体制の未整備:65歳以上が1400万人、高齢化率10%。医療保険制度が未整備、貧困層は自己負担で慢性疾患(高血圧や糖尿病)急増、予防医学や健康診断の整備が不十分。
③医療人材の海外流出と地域格差:医師や看護師の70%が海外へ出稼ぎへ、国内には30%。地方のバランガイは慢性的医療人材不足、特に看護師は25万人が不足。
④医療施設の老朽化とインフラ不足:7000を超える島からなる国の地理的条件もあり、医療機器の多くが中古品でメンテナンス体制が不十分。

未来に向けた可能性は?
約30年前に、太平洋戦争時の激戦地フィリピン・レイテ島で慰霊活動を始め、STCクリニックのフィリピン各地でのメディカル・ミッションでの体験を基に、私は日本とフィリピンの今後の課題への対応策を次のように考えます。
❶ フィリピンの世界有数の若い介護力と労働力で日本の2030問題をサポート
❷ AIやオンライン診療を活用して遠隔手術、バランガイ過疎医療改善、医療スタッフの教育研修を実施
❸ 幹細胞やiPS細胞、エクソソームなどの再生医療を活用した施設を建設
❹ 量子コンピュータの開発で遺伝子ゲノム解析、宇宙医学、新薬開発でがんや認知症を克服
❺ 自然破壊や政治不安を共有し、健康寿命ファーストを目指す
「ドクターマジックのメディカル&ヘルス・トーク」は、今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございました。私はこれからも日本とフィリピン友好の架け橋となるべく活動を続けていきます。先頃、医師とマジシャンとしてこれまで約30年間続けてきた、刑務所や貧困地区でのメディカル・ミッション活動が認められ、フィリピン政府Professional Regulation Commission(専門職規制委員会)からフィリピン全国での診療許可証を発行していただきました。また、私は マニラ首都圏で再生医療サービス+食事をしながら歌やダンス+マジックショー などを楽しめる 「Dr.マジックシアター」をオープンする構想を持っています。そのシアターでは、私の友人であり、聴く人の免疫力を上げるシーター波の歌声を持つ歌手SIZUKUさんの奇跡の歌声を聞いていただく予定です。お楽しみに!

(株式会社ゴッドワールドエンターテインメント公式ホームページ)
伊藤実喜 Dr. Miyoshi Ito
医師・医学博士
東京上野マイホームクリニック院長。STCメディカル国際クリニック(マニラ市マラテ)理事。AMIRI免疫研究所(大阪)理事。Cell Lead International (大阪)専属医師デ・オカンポ医大(De Ocampo Memorial College) 客員教授。1951年福岡県小郡市生まれ。福岡大学医学部大学院博士課程修了。レイテ島での医療ボランティアをきっかけに、フィリピン各地の貧困地区や刑務所などで「ドクターマジック」として手品ショーを取り入れた医療奉仕活動を行っている。1993年第60回奇術世界大会(カナダ・バンクーバー)優勝。
所属学会:日本臨床内科医会、日本糖尿病学会(生活指導医)、日本再生医療学会(厚労省再生医療第2種3種取得医))、日本温泉学会(温泉療法専門医)、日本旅行医学会(認定医)、日本性機能学会、日本メンズ医学会(認定医)、日本奇術協会(芸名 Dr. Magic)、NPO日本フィリピン夢の架け橋代表
